琵琶湖固有種の可能性も
◇湖南・草津市
県立琵琶湖博物館(草津市)のロビン・スミス主任学芸員とドイツのホルスト・ヤンツ博士が、琵琶湖の湖底に生息するカイミジンコの調査を行ったところ、新たに四種類の新種を発見し、学術雑誌「Species Diversity」に発表した。
これは琵琶湖博物館の総合研究「琵琶湖およびその集水域の生物学的多様性の探査」の一環として行った研究であり、昨年の十一種類の新種に引き続き、新たに四種類の新種を発見したもの。
カイミジンコは、二枚貝の貝殻に似た形の二枚の殻に包まれた小さな甲殻類で、多くは体長一ミリメートル以下であり、淡水や海水に生息している。淡水カイミジンコの多くは、水草の間や泥の上などで底生生活をおくり、水深などの環境に合わせて棲み分けをしていることから、環境指標としても重要な動物として知られている。淡水カイミジンコ全体の二五%は、琵琶湖のような古代湖において知られている。
今回、スミス主任学芸員らは、一九九九年から二〇〇七年にかけて、琵琶湖の六十三か所から採集された湖底堆積物に含まれているカイミジンコのうち、古代湖で種分化をしているシセレ上科の種について、電子顕微鏡を使って外部形態を観察したところ、昨年記載した新種十一種類のほかに新たに新種を発見した。発見されたのは、シセレ上科のリムノシセレ属の四種類。
また、同時に確認できたムカシカイミジンコ上科のベスタレヌラ・シリンドリカは、これまでヨーロッパや中近東で化石種として知られているもので、世界ではじめて琵琶湖から生きた状態で発見された。
さらに、今回日本初記録のベスタレヌラ属のカイミジンコ二種も見つかった。この二種はそれぞれ、これまでスリランカやタイから報告されていたが、今回の発見でこれらの種類の分布地域が拡大されることになるという。
発見された新種のカイミジンコは琵琶湖の固有種の可能性があり、四百万年の歴史をもつ古代湖・琵琶湖の生物多様性や琵琶湖内の環境特性を明らかにするための手がかりとして注目されている。







