「汚染可能性は否定できず、注視を」
◇湖南・栗東市
栗東市の水道水源地で検出されるヒ素(発ガン性)が、平成十六年度から毎年上昇している。市は「原水のヒ素は水質基準値内(一リットル当たり一〇ppb以下)で心配ない」とするが、土壌汚染研究の第一人者で、日本環境学会顧問(前会長)の畑明郎・大阪市立大学大学院特任教授(元栗東市RD調査委員会)はRD処分場の地下水が北西方向へ流れていることを踏まえて「ヒ素の最低値と平均値が上昇し続けており、上流のRD処分場地下水のヒ素が流入している可能性は否定できず、注視すべき」と警鐘を鳴らしている。
地下水汚染が飲み水に影響を与えた身近な実例といえば、守山市と野洲市の水源地汚染が記憶に新しい。ヒ素と同じ発ガン性の四塩化炭素の地下水濃度が、立入深井戸三号(守山)で平成九年二月から水質基準値を上回りはじめ、三年後には給水も上回った。
一方、栗東市の水源地でヒ素が毎年上昇して検出されているのは、出庭水源地深井戸三号で、RD処分場からは北西三キロ下流に位置する。
同市水道課の毎月の水質調査によると、グラフの通り、原水のヒ素濃度の最低値は平成十六年度の一ppb未満から二十年度は四ppbに上昇し、最高値との差を縮めている。平均値でも十六年度は三ppbだったのが、二十年度には四・五ppbに上昇し、全体的に上昇傾向にある。
これについて市上水道課は「浄水水質基準値に近い数値ならば心配だが、ここ一、二年は落ち着いており、問題はない」と静観する。
これに対して畑教授は「最低値と最高値の幅が狭まってきている。平均値も上がり続けており、十九、二十年度は継続して四・五ppbもの数値が出ており、水質基準値一〇ppbの半分近くで安心できる数値でない」と指摘している。
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さらに、出庭深井戸三号とRD処分場の中間地点にある手原農業用井戸、処分場一・一キロ下流の小野農業用井戸からは、環境基準三倍超のヒ素やダイオキシンが近年になって検出されるようになり、RD処分場との関連が懸念される。
これについて水質調査する市産業廃棄物対策室は「原因不明なので、RD処分場と関連があるとはいえない。ヒ素については栗東は花コウ岩質の地域なのでヒ素が出やすい」と慎重だ。
しかし、畑教授は「ヒ素、ダイオキシンが検出され、しかも水の汚れ具合を示す電気伝導度が高いことは、RDの汚染地下水が農業用井戸付近を経て、出庭水源地へ流れている可能性を裏付ける」と指摘。
さらに市が自然由来とするヒ素も「県内でヒ素が自然由来で検出されるのは、低湿地で鉄分の多い草津市から高月町までの琵琶湖岸地帯であり、内陸の栗東市では出るはずがない」と反論している。







