アスリートとともに
◇東近江
身体障害者のスポーツの祭典「パラリンピック」は良く知られているが、「スペシャルオリンピックス」を知る人は少ない。一昨年八月、滋賀県に全国四十七都道府県中四十六番目の「スペシャルオリンピック日本・滋賀設立準備委員会」(会長・國松善次県体育協会会長)が設立され、昨年八月には東近江市と近江八幡市を中心とする中部地区設立準備会が、彦根・愛犬地区、大津・湖南地区に続く県内三番目の産声をあげた。
スペシャルオリンピックスは、知的発達障害のある人たちにオリンピック競技種目に準じたさまざまなスポーツトレーニングと競技の場である競技会を、年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織。運営はボランティアと寄付に支えられている。このスポーツ活動に参加する知的発達障害のある人たちを「アスリート」(八歳以上)と呼んでいる。
「オリンピックス」と複数形なのは、日常的なスポーツトレーニングから世界大会まで、様々な活動が年間を通じて世界中で行われているため。
スペシャルオリンピックスでは、アスリートの可能性が最大限に発揮できるよう、競技会に「ディビジョニング」が採用されている。年齢、性別、竸技能力などによるクラス分けで、ほぼ同じ競技能カのアスリートで競技を行う。出場したアスリート全員が決勝に進み、全員が表彰台に立ち、表彰を受ける。
活動は、アスリートたちの健康や体力増進、スキルの向上だけでなく、多くの人々との交流による社会性の育成や自立への意識向上をめざし、逆に、ボランティアがアスリートから学ぶこともたくさんある。
◇ ◇ ◇
一九六二年、ケネディ大統領の妹ユニス・ケネディ・シュライバーさんが知的発達障害のある人たちを招いて、自宅の庭を開放して開いた「デイ・キャンプ」が始まり。
知的発達障害をもつ姉ローズマリーの存在をケネディー家は公にしなかったが、ユニスはそのことに疑問を持ち続けていた。
運動は全米から世界へと広がり、八八年には国際オリンピック委員会との間で「オリンピック」の名称使用や相互の活動を認め合う議定書が交わされた。
現在本部を米国ワシントンD・C・に置き、百八十か国以上で、約二百八十万人のアスリートと七十万人のボランティアが活動に参加している。
◇ ◇ ◇
日本では、一九九一年夏の世界大会に熊本から参加したダウン症と難聴のある十才のアスリートが体操競技で銀メダルを獲得して多くの感動を呼び起こしたのをきっかけに、九三年三月「スペシャルオリンピックス熊本」、翌九四年十一月「スペシャルオリンピックス日本」が設立された。理事長は有森裕子さん、名誉会長は元内閣総理大臣細川護煕夫人の細川佳代子さん。
現在は三十六都道府県に地区組織があり、滋賀県など十一県でも設立準備委員会が活動している。全国で七千四百人あまりのアスリートと一万四千三百人近くのボランティアが参加する。
競技会は地区大会、全国大会(ナショナルゲーム)、世界大会等がある。今年十一月には「第五回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪」が、来年は「第十三回世界大会」がギリシャのアテネで開催される。
◇ ◇ ◇
滋賀県では、二〇〇八年十二月からバスケット、卓球、バトミントンの三種種目が月三回程度のペースで午前中に開催され、アスリート、ボランティアとも毎回三十人前後が参加している。
昨年十一月には「第五回ナショナルゲーム・大阪」のプレ大会として大阪で開催された「夏季地区大会」に、はじめてバスケットの選抜チームを派遣、関西七地区(府県)のアスリートと交流した。今年のナショナルゲームには、バスケット、卓球、バトミントン、サッカーでの参加をめざす。
「準備委員会」から「地区組織」になるには、毎週一回のトレーニングを八回続けることが最低条件。そのためには、アスリートの拡大、サポーター・ボランティアの確保、コーチの育成、会場の確保、財政基盤確立、組織整備などの課題クリアが必要。
スペシャルオリンピック日本・滋賀設立準備委員会077―528―4790、URLhttp://son-shiga.jp/。






