30日、イオンモール草津で無料相談会
◇湖南・草津市
当然のことだが、交通事事故は、誰もが予期できず、突然遭う。被害者は、けがが治るか、仕事はどうするかで不安でいっぱいになる。治療で一年休職すれば、以前と同じ業務に就けるか分からない。後遺症や生活の補償がなく、本人だけでなく家族も苦しみ続けねばならない。そんな被害者に正しい知識を提供し、一日でも早い社会復帰を支援する県内唯一の民間団体「NPO交通事故サポートプログラム滋賀」が三十日、イオンモール草津で無料相談会を行う。被害者の窮状などを、代表理事の粟津由紀夫さん(47)に聞いた。
粟津さん自身も交通事故被害者だ。それまで関心はなかったが、被害者になって初めて重大さに気づいた。事故で左肩を骨折、左足のじん帯をだん裂。今も肩より上に腕を挙げられず、左の膝も体重を支え切れないので、サポーターの装着が欠かせない。
しかし、後遺症として認定されていない。「こんなおかしなことはない。以前はぴんぴんしていたのに、事故がきっかけなのは明らか。私はまだ軽い方で、寝たきりになっても補償されず、死んだ方がマシと苦しむ人もいる。これには法的な問題があるのです」と語気を強める。
というのも被害者が加害者に補償を求める場合、立証責任は被害者側にある。
事故直後に精密検査で正確な診断を受けておかないと、あとで後遺症と分かっても補償を請求するのは困難。裁判で争っても、足掛かりとなる自賠責保険で認定を受けていないと不利であるし、一般的に医師に立証を求めても敬遠される。
さらに根本的な問題は、被害者側に不利な体制の中で、知識がないまま、プロの保険業者と交渉するしかないこと。
「心身喪失している被害者が、言いなりになって印鑑を押すのは当たり前。まず正しい知識を得ることが先決」と粟津さんは指摘する。
同会は滋賀のほか、大阪、兵庫、愛知でもネットワークをもつ。普段の被害者相談は、けがの症状や医師の診断、加害者からの保障内容などを聞いて、解決までの流れをアドバイス。相談場所は主に公民館だが、人によっては車中や喫茶店など柔軟に対応している。
また、三十日の相談会場ではあわせて、難病「脳脊髄(せきずい)液減少症」の研究推進と患者対策を国へ求める署名活動も行う。同症は、交通事故などの強い衝撃で脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、めまい、けん怠感などの症状が複合的に現れる。
原因が特定されにくく、怠けや精神的なものと判断され、本人と家族の苦痛は計り知れない。保険適用が効かず、患者は高額な治療費を負担している。事故との因果関係が不明とされ、後遺症による補償も受けられない。
交通事故被害の相談の問い合わせと申し込みは粟津さん(080-3862-5010)へ。






