山門湿原から130種の珪藻見出す
◇湖南・草津市
県立琵琶湖博物館(草津市)の“はしかけグループ”『たんさいぼうの会』(代表・有田重彦氏)は、琵琶湖の北にある山門湿原で、単細胞の藻のなかま「珪藻(けいそう)」の調査を行い、百三十種もの珪藻を見出した。その結果は、日本珪藻学会誌『Diatom』二十五巻(平成二十一年十二月発行)に、論文として掲載された。
山門湿原(標高約二百九十メートル)は、琵琶湖の北、長浜市西浅井町に位置し、およそ二万九千年以上前から続いているとされる古い湿原。比較的低緯度で標高が低いにもかかわらず、一般には寒い地域に発達するミズゴケ湿原が広がっている。植物や昆虫にも寒い地域に分布する種類が多く含まれており、環境省が指定する「日本の重要湿地五〇〇」にも選ばれている。
『たんさいぼうの会』では、山門湿原で、平成十六年五月と十一月に珪藻の調査を行い、約三年をかけて三十六属百三十種の珪藻(うち七種は未同定)が生息していることを明らかにした。この中には、八雲ヶ原湿原(高島市)に生息する珪藻四十種が含まれており、山門湿原は、八雲ヶ原湿原と類似の環境を保ちながら、より多様な環境条件を含んでいる場所をもつことを示している。
近年の乾燥化や気温の上昇によって、山門湿原のミズゴケ湿原は消滅の危機に瀕しているだけに、今回の『たんさいぼうの会』の研究成果は、これからの湿原環境の変化を捉える上で重要な基礎資料と位置づけられそうだ。






