伊崎寺の竿飛びや水辺集落伊庭など 琵琶湖や水にかかわる宝は計52件に
◇全県
県教委はこのほど、今年度選定された「近江水の宝」二十一件を発表した。人間文化研究機構長の金田章裕氏を委員長とする六人の学識経験者で構成する選定委員会が現地調査などを行って、選定した。
「近江水の宝」は、県内に残る琵琶湖(水)と人との共生で培われてきた「文化的資産」を、“琵琶湖や水とのかかわり”という視点から再評価し、人と自然との関係の物語性が理解できる「うやまう」「くらす」「ゆきかう」「つくる」「めでる」「おくる」というカテゴリーに分け、その地域の特色をよく表す、特に優れたものを「近江水の宝」として選定するもの。
平成二十年度からの三か年事業で、初年度の昨年度は県内二十六市町から各一件以上の三十一件が選定され、今年度の二十一件と合わせて計五十二件が選定された。
選定された「近江水の宝」は保存するだけにとどまらず、地域学習や観光の素材等として活用する地域に根ざした取り組みにつなげている。今年度は、文化財探訪「近江水の宝」ツアーをはじめ、関連講座、関連刊行物「近江湖物語3 王の湖・武士の湖」を発行した。
「環境クルーズ」など五件に三百四十五人が参加したほか、「近江湖物語3 王の湖・武士の湖」シンポジウムなど十二件に八百人、絵はがきなど刊行物二万八千九百部を発行、また、安土城考古博物館での関連企画展「水中考古学の世界」には九千七百十二人が入場した。今年度の選定分と選定理由は次の通り。
【うやまう】白鬚神社(高島市)広く知られた琵琶湖と鳥居・旅の安全を祈る祭神▽葛川明王院と三の滝(大津市)開基伝承にある三の滝と不動明王・山中にあって水との深い関わり▽伊崎寺の竿飛び(近江八幡市)琵琶湖へ飛び込む行・琵琶湖に直接関わる信仰の世界▽信仰の島 長命寺(近江八幡市)かつては舟で参詣・観音信仰の島▽建部大社船幸祭(大津市)水をめぐる祭り
【くらす】琵琶湖の伝統的漁法(全県)広域の内水面利用・独自の展開▽針江・霜降のカバタ(高島市)独特の生活用水のリサイクルが今なお見られる集落▽水辺の集落 伊庭(東近江市)景観のみならず昔から変わらない暮らしも琵琶湖畔ならでは▽沖島の生業と食文化(近江八幡市)琵琶湖と共に生きる
【ゆきかう】琵琶湖北端の港・平安時代の塩津港と水辺の神社(長浜市)古代から日本海域と結ぶ港・平安時代水辺の神社遺構・活発な湖上交通を示す起請文木簡▽杣川の水運 矢川神社・矢川津(甲賀市)古来より畿央地域と琵琶湖を結んだ・中世地域社会の象徴的な施設▽湖城 膳所城(大津市)戦国の近江を象徴・江戸時代の人の目を楽しませた▽石場津の常夜燈 急がば回れ(大津市)広く知られることわざの記念碑▽瀬田唐橋(大津市)交通・景観を考える上で不可欠▽鉄道と汽船を結ぶ駅 旧長浜駅舎(長浜市)鉄道連絡船ターミナル・東海道開通百二十年
【つくる】琵琶湖疎水(大津市)近代琵琶湖への働きかけを象徴する記念碑的存在・琵琶湖の利水▽田上山中の堰堤群 オランダ堰堤・鎧堰堤(大津市)琵琶湖治水の生き証人・現在は憩いの場▽天井川と大沙川隧道(湖南市)天井川に掘り抜かれた現役最古の道路トンネル▽旧南郷洗堰(大津市)近代の琵琶湖治水・利水を象徴する記念碑的存在
【めでる】浮御堂――堅田落雁と芭蕉――(大津市)俳聖芭蕉が愛した浮御堂▽天の川流域のゲンジボタル(米原市)清流とゲンジボタル・水環境保全への働きかけ







