小さな一歩を積み重ねてきた4年間
◇東近江・日野町
カナダ・バンクーバーでの冬季五輪開幕まで、あと三日。日本代表選手の胸の高鳴りとともに、応援する側のわくわく感も増し、声援にも力がこもってきた。日野町大窪出身の伊藤みき選手(22)=中京大四回生=は、フリースタイルスキー女子モーグル競技に日本代表として二度目の出場を果たす。「自分の人生においてもスタートの年」と位置付けるみき選手が、夢の地で最高の演技を披露する姿を、私たちの目に焼き付ける瞬間がもう間近に迫っている。
高校三年生で初出場したトリノ冬季五輪後、みき選手は「心技体すべてを強くしたい」と負けず嫌いの性格に磨きをかけ、世界女王にも輝いた上村愛子選手(30)=北野建設=に次ぐ活躍を期待されるまでの選手に大きく成長した。
昨年はけがも経験。「いいことをたくさん与えてもらった一方で、練習ができないしんどさも味わえ、どちらの景色も自分の違った顔を見ることができた」と、自らの感情の起伏も含めてすべてを必然のものとして受け入れる強さも身に付けた。
中京大学を卒業後は、上村選手が所属する北野建設への就職が決まっており、二〇一〇年を「きっかけの年」とも表現するみき選手。新天地での競技生活を思い描きながら「いいスタートを切るためにも、自分の存在を五輪でアピールしたい。自分の成長を自分の体で感じており、『一番になりたい』との強い気持ちでスタート台に立てるよう(試合直前まで)調整していく」と、笑顔の奥に熱い闘志を燃え上がらせる。
「今、スキーが楽しくてたまらない」との言葉からも分かるように、本当の強さは競技を愛し楽しむ心を忘れていないこと。みき選手は「スキーが好きな人もそうでない人も年齢に関係なく、テレビの試合中継を観て、何となく明るい気分になったり、心に留めておいてもらえるような演技をしたい」と、自分自身も納得する最高の滑りを目指す。
女子モーグルは、開会式翌日の十三日(日本時間十四日)に行われる。
最高にハッピーなみきスマイルを、多くの町民が待ち望んでいる。
町内に灯る“みき行灯”
みき選手を応援する日野町民の思いが、行灯(あんどん)の明かりとなって出現し、カナダにも続く夜空をやさしく照らしている。
暗いニュースを吹き飛ばす明るい話題に「日野町民が一つになって盛り上げていこう」と、みき選手の祖母・福永久さんの教え子でもある谷成隆さんと石岡孝浩さん、徳田昇さんが発起人となり、日野町商工会青年部(岸村嘉幸部長)を主体に、昨年一月から行灯プロジェクトを始動した。
阪神・淡路大震災の追悼式で使用する灯ろう製 作に携わった経験を基に、職人技を結集して試作を繰り返し、ゲレンデの雪をイメージした真っ白な行灯にたどり着いたという。
形は単体・三連・五連の三種類で、和紙風プラスチックを通して漏れる電球のやわらかな明かりが町民の心をもいやし、活動趣旨に賛同し購入した町内の商店や個人は約百七十軒にもおよぶ。
また、競技生活の一助にと、行灯収益の一部と各イベント会場で呼び掛けた募金を、激励金(約十七万円)としてみき選手に手渡した。
谷さんは「お互いに支え助け合わなければ、一人では何もできない。この行灯プロジェクトが、明るくにぎわいのある理想のまちに一歩でも近付くきっかけになれば」と語り、応援の輪の広がりをかみしめる。
現在も行灯を販売中で、一個二千円。詳しくは、谷さん(0748―52―2485)または徳田さん(0748―52―0012)へ。
●地元応援会●
また、日野町と同町体育協会、NHK大津放送局は、日本時間の十四日に「地元応援会」を日野公民館ホールで催す。午前九時半からの予選、午後零時半からの決勝をテレビ中継で観戦し、みき選手にパワーを送り続ける。詳しくは、同協会事務局(0748―52―6566)へ。
サイン色紙プレゼント
滋賀報知新聞社は、伊藤みき選手本人が書いた好きな言葉(Do!)とVサインの写真入りサイン色紙を、読者三人にプレゼントします。
希望者は、官製ハガキに住所・氏名・年齢・電話番号・本紙の感想またはみき選手への応援メッセージを明記し、〒527―0015 東近江市中野町一〇〇五番地 滋賀報知新聞社中部本社「伊藤みき選手サイン色紙」係まで郵送してください。締め切りは14日(必着)。









