国の経済危機対策が押し上げる 県債残高は1兆円に迫る
◇全県
県は九日、平成二十二年度の当初予算案を発表した。一般会計は、対前年度比九十四億円増(一・九%増)の四千九百四十六億円で、三年ぶりに増額に転じた。これは国の経済危機対策に対応する基金関連事業が押し上げたもの。景気低迷で県税が減収する中、不足を補う財政調整基金は「ほとんど底をつく状況」で、嘉田由紀子知事は「二十三年度以降の予算編成でもより一層、収支改善の取り組みが必要」と危機感を示した。
歳入で主なものをみると、県税は法人二税(法人県民税、法人事業税)と個人県民税が、企業業績の悪化などで減収するため、前年度比二百七十五億円減の一千二百二億円(一八・六%減)と大幅な減収が見込まれる。
このうち、とくに法人二税は、同百七十四億円減(四四%減)の二百二十二億円と、減収幅が過去三番目で、県民税全体を占める割合は一八・五%と過去最低であった。
国からの地方交付税は、法人二税の大幅な減収に対応して、同百六十五億円増(一八・二%増)の一千七十三億円の増額となった。
このほか、地方譲与税は五十一億円(四七・三%増)、地方特例交付金が二十億円(一一・二%減)、国庫支出金は五百十億円(六・三%増)となった。
しかし、これらの収入でも百八十七億円の財源不足が生じるため、財政調整基金や県債管理基金などの基金二十九億円を取り崩すほか、県債六十億円の発行や、県有地売却による三十四億円、事業見直しによる十億円削減などでやりくりする。
この結果、財政調整基金と県債管理基金の合計は二十四億円(内訳=財政調整十一億円、県債管理十三億円)しかなくなってしまった。
また、県債残高(臨時財政対策債含む)は、同三百八十八億円増の九千九百九十八億円に膨らみ、一人当たりの県債残高は、同三万六千九百三十三円増の七十一万三千五十八円と危機的状況にある。
一方の歳出は「県民の生命とくらしを守り、次世代を育成」の方針のもと「保健医療・防災」「子育て」などの五テーマに重点をおいた。
東近江市愛東支所が候補施設にあがっている平和祈念館については、(仮称)整備プラン作成調査に二百五十万円が計上される。プランには、学識経験者らによる検討会議の意見を踏まえて、事業展開や施設内の整備、運営などを盛り込む。
なお、テーマごとの主な施策は次の通り。
【保健医療、防災】「在宅医療推進体制総合調整」(一千二百万円)▽滋賀医大・京都府立医大で医師確保システムを構築する「寄付講座の設置」(一億九千三百万円)
【子育て】子育て共助の仕組みをつくる「子育て三方よしコミュニティ推進」(四千二百万円)。
【環境】ワタカを放流し水草を除去する「琵琶湖固有種ワタカで学ぶ南湖再生」(三百万円)▽「低炭素社会実現に向けた工程表の作成」(五百万円)。
【産業】環境製品性能評価で市場化を支援する「戦略的環境ビジネス育成」(二百万円)▽「大河ドラマ“江”関連誘客促進」(一千九百万円)。
【雇用】人材育成プログラムの仕組みを構築する「滋賀の“三方よし”人づくり」(一億五千四百万円)。






