県庁で試食会、90人が参加
◇全県
県はこのほど、ニホンジカのおいしさを知ってもらおうと、県庁で鹿肉料理試食会を開いた。増えすぎて問題となっているシカは、平成十六年度は県内で約二万頭だったのが、暖冬による餓死の減少や、天敵がいないことから、十九年度では二万六千頭まで増加し、稲穂を食べたり、木の皮をはぐなど、農林業に深刻な被害を与えている。そこで県は、捕獲を促進するため、野生獣を食材にしたフランスの冬の味覚「ジビエ料理」などに活用して需要を増やそうと、販路拡大に取り組んでいる。
「鹿肉はヘルシーで健康的な食材ですよ」と話すのは、試食会の講師、澤井健司氏(フランス料理シェフ)。同氏によると、鹿肉は低カロリーで高タンパク、消化吸収が早い。例えば、たんぱく質は、牛肉の約二倍、脂質は十分の一。さらにイワシ・サンマなど青魚に含まれるDHAも含まれている。
鉄分も多く、牛肉の七倍、豚肉の十倍。それなのにカロリーは牛肉の四分の一以下、豚肉の二分の一以下と、非常に優れた食材だ。このため寒冷のため食糧事情の悪かった中世ヨーロッパでは、貴重なタンパク源だった。
講演の後の試食会では、赤ワイン煮、パテ、たたき、薫製などの定番メニューのほか、鹿バーガーやしぐれ煮などのオリジナルメニューも並び、参加者九十人は普段食べ慣れない食材のおいしさに舌鼓を打っていた。
また会場には、全国展開するカレーチェーン店も近江鹿カレーを出品し、関係者は「四月には県内三店舗でメニューにのせたい」とご当地メニューを売り込んだ。
なお、県内における鹿肉利用の試みは、食害の深刻な山間部で始まっている。高島市では朽木猟友会が、市内や大津市内のレストランと契約して肉を卸し、日野町の猟友会も県支援を受けて処理施設を設置したり、販路を開拓して、近江八幡市、東近江市、栗東市のホテルやレストランへ卸している。







