琵琶湖博物館が調査報告まとめる
◇湖南・草津市
県立琵琶湖博物館(草津市)はこのほど、琵琶湖博物館研究調査報告二十五号『日本中世魚介類消費の研究(一五世紀山科家の日記から)』を発行した。
今回の研究調査報告書は、平成八年度から十八年度まで十一年間にわたって続けてきた総合研究「東アジアのなかの琵琶湖=コイ科魚類の展開を軸とした環境史に関する研究」(研究代表者・中島経夫氏)の歴史班の成果をとりまとめたもの。
この総合研究は、コイの仲間(コイ科魚類)の七千万年の展開を軸として、生き物と自然環境と人間との三者の関係史を追究したもので、琵琶湖博物館内外の自然系・人文系の研究者が、理系・文系の枠を超えて、緊密に連携して研究調査を行った。その中で歴史班では、中世の人間が魚介類、特にコイの仲間をどのように消費していたかに着目して調査研究を進めてきた。
研究の対象としたのは京都の公家・山科家の十五世紀(室町時代)の日記。当主であった山科教言(のりとき)、言国(ときくに)の日記と家司(執事)の日記『山科家礼記』(やましなけらいき)と『康正三年記』(こうしょうさんねんき)から、魚介類の記事を抜き出して、データベースを作成。
その結果、淡水魚介類十一種類、海水魚介類三十五種類を検出した。そして、種類ごとの人間の関わり方、例えば贈答や貢納・下賜のあり方、料理や食事のあり方、加工や保存、輸送のあり方、そしてそれらの季節性などが詳しく明らかになったとしている。






