才能と努力で 夢の日本代表
◇東近江・日野町
「カヌーに出合えて良かった」と語るのは、県立八幡商業高等学校国際経済科三年生の坂田真選手(17)=日野町在住=。十八歳以下の男子選手で県内初となるカヌースプリントジュニア日本代表に選出され、スロバキアで開かれる国際カヌー連盟主催の世界大会「ピースタニー国際レガッタ」(五月二十一~二十三日)に出場する。
◆運命の糸
日野中学校でバスケットボール部に所属していた坂田選手は、八幡商業高校へ進学後、男子バスケットボール部が存在しないことに気づいた。運命のいたずらなのか。部活見学で訪れたカヌー部の練習を見て、他の選手と競技経験に大きな開きがなく自らの力を一から試せるカヤックに引かれ、入部を即決。
顧問の富永寛隆教諭(36)は「入部当初から『カヌーをするために生まれてきた』と言っていた。変わったことを言うなと思っていたが、パドルの使い方や水のつかみなど、非凡なものを持っていた」と振り返る。
◆努力家の天才
天性の身体能力の高さと素直な心に加え、人一倍強い負けん気からくる努力の積み重ねで才能が一気に開花し、「天才」と言われるまでの選手に成長。一年生のときに五百メートルシングルで県内チャンピオンとなり、二年生のインターハイでは決勝進出を果たした。
本番で力を出し切れない悔しさも味わいながら、今年三月に香川県で行われた海外派遣選手選考会で、五百メートルカヤックシングル三位、千メートルカヤックシングル四位の好成績を残し、初の国際大会出場権を手に入れた。
◆チャレンジ精神
今月十一日に日野町役場で開かれた壮行会で、藤澤直広町長は「坂田選手の出場が、日野の子どもたちに希望を与えてくれる。世界トップレベルの選手たちの胸を借りるつもりで、チャレンジ精神で挑み、練習の成果を発揮してほしい」と激励。
坂田選手は「日本代表になることが、一年生の頃からの夢だった。本当にうれしいが、日本のシニア選手一位よりもヨーロッパのジュニア選手一位の方が速く、上には上がまだまだいる」と世界トップレベルを熟知した上で、「その速さに圧倒されてしまうのではないかという不安もあるが、藤澤町長に言っていただいたようにチャレンジ精神を持ち、スタートから突っ込んで思いっきりいきたい」と意気込みを語った。
出場するのは、五百メートルカヤックシングルと千メートルカヤックシングル、千メートルカヤックフォア(四人乗り)の三種目。持ち味であるミドル(中間)からラストにかけての後半の強さと、最近手応
えを感じているというスタートダッシュで、まずは「準決勝進出」を狙う。
◆ステップアップ
今年は「インターハイ優勝」も目指している坂田選手。「最初は水に浮くということがすごく楽しかった。今は水を切り進んでいく感覚が楽しくて気持ちいい。練習も苦しいと感じるより、楽しいやうれしいといった気持ちの方が大きい」と充実した表情を浮かべ、毎日カヌー部の仲間とともに西の湖で練習に励んでいる。
水面を滑るように漕ぎ進む姿を見つめながら、富永教諭は「今回の国際大会がさらなる成長を促すと思う」と確信し、結果以上にトップ選手として心身両面のレベルアップに期待を寄せる。








