大津市長選出馬の黄瀬氏の政治資金収支報告書
◇全県
「平成二十年の大津市長選に出馬した黄瀬紀美子氏の政治団体『あたらしい大津を創る会』の平成二十年選挙資金収支報告書と政治団体解散届けにおける会計責任者の署名・捺印は、有印私文書偽造であり、県選挙管理委員会に訂正するよう議会で働きかけてほしい」と元会計責任者の山田利春氏(68)=大津市和弥=はこのほど、県議会に要望した。今回の事態は、嘉田由紀子知事の政治団体『対話でつなごう滋賀の会』(対話の会)関係者の骨肉の争いであり、同団体の体質も注目されそうだ。【石川政実】 二十年一月の大津市長選には、無所属で現職の目片信氏、無所属新人で民主、社民支持、対話の会推薦の黄瀬氏、無所属新人で共産推薦の井上敏一氏の三つ巴選で、目片氏が再選を果たした。
落選の悔しさが残る中、「大津を創る会」(代表=故・木津稔氏)の総会が同年四月十六日に開かれ、役員改選と六月末で同会を解散することが決まった。
役員改選では、寺川庄蔵氏(ちなみに「対話の会」代表)が事務局長から副代表、山田氏(同元幹事)が会計責任者から副幹事、小松明美・大津市議(同事務局次長)が会計責任者にそれぞれ選ばれた。
ところが同年七月三十日に県選管に届けられた二十年の政治資金収支報告書、政治団体解散届けでは、会計責任者の欄には、新任の小松氏でなく、山田氏の署名・捺印(写真)があった。
この事実を同年八月になって知った山田氏は「知らない間に会計責任者でない私の名前が使われたのは、有印私文書偽造にあたる。また同年六月二十五日に数名だけで四十六万七千円の残金を、『対話の会』と『民主党県連』で折半するのは、おかしい。ほぼ全額を振り込んだ民主党県連に返還するのが筋。また幹事会を開 いて会計報告し、監査の了解を得るべき」と寺川氏らに詰め寄った。その後、心労から山田氏は脳出血に倒れ、寺川氏らとの協議が一時中断。回復後も両者の見解は平行線をたどり、今回の県議会への要望となった。
寺川氏は本紙取材で「同年三月十三日に山田氏から『会計処理を終了した。会計責任者をほかの人に替わってほしいので、書類、通帳、印鑑は渡したい』というメールをもらい、引継ぎをした。それだけに山田氏の名前で政治資金収支報告書、解散届けを提出したのは、なんら問題がない。また残金処理も、数名でなく 、三役会を開いて決めたものであり問題はない」と反論。
これに対し山田氏は「会計処理を終了したというのは、選挙の収支報告であり、政治団体の収支報告書のことでない。また三役会は会の規約にはなく、決定権もない」と主張する。
県選管では「この件はあくまで政治団体内部の問題であり、県選管の所轄事項でない。もし有印私文書偽造が事実なら、山田氏が刑事事件として争うべきもの」と迷惑顔だ。







