「地域医療を考える会」先進地研修と意見交換会
◇東近江
東近江市内三病院の再編計画に基づき、東近江市は、平成二十四年度中に蒲生病院の方向性を決定する方針を固めている。蒲生地区の住民にとって最も身近な病院だけに関心は高いものの、情報・判断材料・知識の不足もあり、将来の病院像や真に求める医療体制とは何かにまで、住民間の議論が深まっていないのも事実。
行政任せという傍観者から脱却し、住民自ら病院づくりや地域医療確立に参画していこうと、一歩踏み出したのが“地域医療を考える会”。
先月二十五日には、全国でもトップクラスの経営状況で黒字を維持している香川県の「綾川町国民健康保険陶病院」(十二科で一般病床三十五床、療養病床二十八床)への視察研修を企画した。
当日は、地元選出の県議・市議や自治連、老人クラブ、蒲生病院、市立病院労働組合、市役所、まち協の代表者ら計三十四人が参加した。
研修参加者による意見交換会では、「町長や病院長をはじめ病院設置者の意気込みが環境整備に表れていて、地域住民も病院を盛り立てているすばらしい地域だった」と絶賛の嵐で、顧客である住民ニーズを的確につかみ、トップの明確な経営戦略と発信力の高さに加え、病院機能の特色づくりを見習うべき点に挙げる人が多かった。
住民と同じように医療従事者も不安を抱えている現状の中で、医療の根幹である“市民の健康・命を守る”視点に立ち返り、蒲生地区の地域医療は将来を見据えてどうあるべきなのか―。
蒲生病院の存続を第一に掲げる意見が根強い一方で、参加者からは「保健や福祉も巻き込んで、もっと議論できないだろうか」や「検診機能を生かし訪問看護を充実させて、地域に根付いた医療をしていくことが大切ではないか」、「保健・医療・福祉をネットワーク化し、患者情報の共有化を図りながら、医療提供の場を病院から地域へと展開していき、患者の生活に密着した医療提供を可能にする地域密着型医療が蒲生地区には必要なのではないか」と建設的な意見も。
新たな方向性を見い出すためのカギは、発想の転換。「地域住民と医師・看護師が心を合わせ、一体的な取り組みができないか」や「地域に住む我々にも一つの責任があり、みんなで考えていかなければならない」と、住民主体の活動を必要とする声もあがった。
トップの方針をただ待つ受け身から、これからの地域医療に関して積極的に提案していく姿勢へ転換を図るため、今後、同会は学区単位での意見交換会や勉強会を開く予定で、住民意見を取りまとめて一日も早く一つの方向性を見い出すことを目指す。






