入浴・食事・運動テーマに 脱「京都依存」、目指すは「滞在型」
◇大津
全国各地の温泉で団体客が減る中、県内を代表する大津市雄琴のおごと温泉は、旅館協同組合や各旅館の取り組みで、個人のニーズをつかんで宿泊客を伸ばしている。今春からは、健康志向の高い客層を取り込もうとヘルスツーリズムを展開。従来の「京都観光」依存から「滞在型観光」への転換を図る。
「温泉の新しい楽しみ方が体験できて新鮮」。昨年三月、おごと温泉周辺で行われたヘルスツーリズムのモニターツアー参加者四十人は口をそろえた。専門家考案のプログラムのもと、二本のポールを持って歩くノルディック・ウォーキングで早春の里山やまち歩きで運動したあと、温泉と食事も楽しめる、体と心に満足のプランだ。
おごと温泉は、比良山地が琵琶湖に迫った地形で、四季折々の山と湖の風景が楽しめる。しかし、この条件をうまく生かせず、京都観光の宿泊地という、いわば通過点となっていた。
複数の観光地を移動し宿泊地を変える形態を周遊型観光といい、従来型の国内旅行で多く見られたが、全国の観光地では近年、地域活性化のため一か所に滞在して静養やレジャーを楽しむ滞在型観光が模索されている。
そこで、同温泉が注目したのが、幅広い年齢層で高まる健康志向だ。一昨年からびわこ成蹊スポーツ大学の指導を受けて、新たな温泉入浴方法、気軽に楽しめるノルディックウォーキングを中心にした運動プログラム、地場食材を使った料理メニューの研究を続けてきた。
ただ、ヘルスツーリズムといっても、ひたすら汗をかくダイエットではなく、「あくまで健康づくりのきっかけ。気持ちよく運動して、おいしい食事も楽しんでいただきたい」と、担当のおごと温泉旅館協同組合理事の池見喜博さん。
このため郷土色豊かな料理では、ゆばや豆腐を使った女性向けの低カロリーのメニューや、近江牛を堪能できる会席などを企画している。
二月からはパンフレットやキャラバン隊による宣伝告知をスタートさせたいとし、榎高雄・組合会長は「おごと温泉の新しい魅力を発信していきたい」と張り切っている。
おごと温泉豆知識
【効能】
〔泉質〕アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)約三十六度 無色透明
〔効能〕神経痛 筋肉痛 関節痛 五十肩 運動マヒ 打ち身 慢性消化器病 冷え症 疲労回復等 美肌効果
【由来】
その昔、「蛇ケ谷」には苗鹿に八つの頭を持つ大蛇が住んでいた。谷のかたわらには「念仏池」と呼ばれる小さな池があり、そこからは地下水が絶え間なく湧き飲めば病気が治り、浴すれば外傷に効いたという。また念仏してさい銭を投げ入れると泡が出て、願い事を叶えた。
この池が後に、おごと温泉になったといわれている。
【地名】
それは平安時代のこと、小槻氏今雄宿禰がこの地を荘園として賜ったことから「雄」の字をとり、また貴族の邸宅から琴の音がよく流れてきた事から「琴」の字を用い、「雄琴」の名が誕生したという。
【おごと温泉地蔵】
湖を眺めるように、ぽつんと佇むお地蔵さん。美しく整えられた臨水公園の芝生の中に、お地蔵さんが佇んでいる。脇に「温泉地蔵尊」とある。雄琴温泉の繁栄を祈ったものらしい。きれいに掃除されたお地蔵さんの前には、少しのお供え物と花が生けてある。誰がしたものかは分からないが、地元の人々の温泉を愛する気持ちがうかがい知れる。
(おごと温泉旅館協同組合/おごと温泉観光協会ホームページより)









