「経費負担大きい」「保育士の確保困難」県の拙速さに市町反発
◇全県
県が来年度から実施を予定している乳幼児の一時預かり無料クーポン券配布事業は「経費負担が大きい」「保育士の確保が困難」「県は現場の実態がわかっていない」など各市町から総スカンをくい、十三市町が不参加の意向を固めていることが、滋賀報知新聞社の調査でわかった。【石川政実】
無料クーポン券事業は、児童虐待の防止を目的に、市町の保育園で行われている一時預かりを半日無料体験してもらおうと、二回分の半日サービス券を〇歳から一歳半の乳幼児を持つ保護者に配るもの。事業費は、県と市町が折半する。また民間保育園が取り組む場合、事業のために新規採用した保育士の人件費を県、市町、保育園が三分の一ずつ負担する。
滋賀報知新聞の調査(表参照)では、同事業に取り組む方向で検討(○印)しているのは、日野町、愛荘町、甲良町の三町(全市町の一六%)。逆に参画しない(×印)のは大津市など十二市町、限りなく参画しない方向で検討中(▲)の多賀町を加えれば計十三市町(六八%)にのぼる。検討中(△)は、甲賀市、長浜市、米原市の三市(一六%)となっている。
約七〇%の市町は、参画しない理由として<1>無料クーポン券が配布されると利用者が増え、保育士を採用せざるを得ないが、人材確保が困難<2>むしろ待機児童の解消を急ぐべき<3>市町の財政負担が大きい<4>すでに有料で一時保育を実施している保育園があり、無料クーポン券が配布されれば、現在の利用者がはじき飛ばされる-などを挙げている。
また野洲市のように「この事業は二年で終わるため、せっかく保育士を増員しても、その後が担保されていない」との声も多い。
草津市では「児童虐待防止で類似した事業を市では展開している。嘉田由紀子知事が地域主権とおっしゃるなら、むしろ県は市町が独自で取り組んでいる類似の事業に交付金などを出すべき」と指摘。
県子ども・青少年局の八里哲也参事は「正式に断ってきたのは、まだ大津市だけであり、現時点で事業を見送るつもりはない。来年度当初で間に合わなくても、六月補正などで取り組んでもらうために、改めて市町に説明しに行きたい」と話している。
(注)守山市では、山田亘宏市長が事業不参加の意向を表明し、新市長へ引き継ぎ事項として伝えるという。








