甲賀市教委
◇湖南・甲賀
甲賀市教育委員会は指定有形文化財について、瀧樹神社(甲賀市土山町前野)の石造宝筐印塔一基など七件を新たに指定し、東海道水口宿文書(七十九点)一件を追加指定した。これにより、同市指定有形文化財は総数百三十五件となった。今回新たに指定を受けた指定有形文化財の概要は次の通り。
▽石造宝筐印塔(せきぞうほうきょういんとう)=瀧樹神社(甲賀市土山町前野)。鎌倉時代後期の造立。花コウ岩の五尺五寸塔で各部完存。塔身の四面のうち一面は胎蔵界大日如来を像容で、他の三面は種子を刻む。同時期の均整のとれた塔姿を示す。
▽不動一尊種子板碑(ふどういっそんしゅじいたび)=甲賀市土山町瀬音。室町時代明応九(一五〇〇)年の造立。花コウ岩製で完存(総高二百三センチ)。不動明王の種子を大きく陰刻した下に、山伏の通行に関する裁許文を刻む。全国的にも類例の少ない修験道関係の石造板碑。
▽六角形石燈籠(ろっかくけいいしどうろう)=日雲神社(甲賀市信楽町牧)。鎌倉時代嘉元四(一三〇六)年の造立。花コウ岩製の七尺五寸燈籠。宝珠の請花のみ欠失。火袋の四面に近江式装飾文の宝瓶三茎蓮華を刻む。在銘石灯籠としては市域最古で意匠にも優れる。
▽木造男神坐像=八坂神社(甲賀市水口町嵯峨)。平安時代の造像。長らく本殿内部に収められてきた神像群で、台座を伴う大型の坐像と台座を伴わない八躰の小型坐像からなり、牛頭天王とその子である八王子神がすべてそろっている点が貴重である。檜材一木造素地仕上げで、顔表現は墨描。天神社安置の男神坐像一躯も向巧の作行を示す。
▽東海道土山宿本陣土山家文書宿帳=甲賀市土山町北土山。個人所有。東海道土山宿において本陣職を勤めた土山家に伝来した宿帳で、寛永七年から明治四年の間における大名・公家・琉球使節・幕府役人などの一万六千三百七十件にのぼる休泊を記録する。近世交通史研究上も重要な史料。
▽矢川神社文書=矢川神社(甲賀市甲南町森尻)。矢川神社に伝来する近世から近代にわたる文書群。神社由緒や社僧記録の「矢川雑記」、社殿造営の記録など、甲賀郡を代表する郷鎮守社の運営と地域祭祀の実態を示すとともに、杣川流域の民俗文化理解にも寄与する。
▽北脇遺跡出土銅印=甲賀市甲南町葛木。平安時代前期の分銅型の銅印で、印面に「徳西庶家」の四文字。類聚三代格収録太政官符規定の規格に合致する私印で、一帯を支配した氏族に関わる資料として重要。








