市民とかい離する県議会 2011統一地方選
◇全県
地域主権改革の流れの中で、四月一日告示の県議選では議会改革が大きな争点になりつつある。そこで、地方自治に詳しい大橋松行・県立大学教授に聞いた。【聞き手・石川政実、文責・高山周治】
---先の名古屋市長選で、地域政党・減税日本の河村たかし氏が大勝し、十三日の市議選でも同党が躍進したが、どう受け止めたか。
大橋 名古屋市長選で河村市長のマニフェストが支持されたのは、市民意識と離れた議会へのアンチテーゼだと思う。このためにも議会改革は、急務の課題だ。議会改革をするには、まず議員のあり方を見直さないといけない。議員歳費はもともと日当だったのに、条例で月給八十四万円(特別条例で七%カット)になり、さらに政務調査費が月額三十万円もあり、議員一人当たりに年間計千六百万円が支払われており、一般のサラリーマンや県民の感覚とが大きくかい離している。実働に応じた報酬にすべきで、年間七十一日(平成二十二年度、議案調査十九日含む)の議会と調査日百日とみて、議員報酬は半分が妥当ではないか。
また、民意を反映するためには、議会の反対にあっても住民投票ができる制度に改めるべきだろう。
---議員定数はどうか。
大橋 県議会は現在、定数が四十七だが、やはり多い。例えば米原選挙区を定数一として全選挙区で試算すると、かなり減るはずだ。このためには、選挙区の合区が必要だろう。ただ議員自ら見直すと党利党略で甘くなるので、第三者委員会によって、削減にメスを入れるべきだ。
---今回の県議選で嘉田知事を支援する地域政党の「対話の会」が、民主などと連携し、過半数を握ろうとするのは、首長と議会の二元代表制を機能不全にするものではないのか。
大橋 地域の課題を解決しようとする地域政党は、存在意義があると認識している。ただ、減税日本の河村市長のように、民主の小沢グループとつながる動きは、地域政党と呼べるか疑問だ。
---滋賀県の場合、前回は新幹線新駅の是非が争点だったが、今回は争点があるのか。
大橋 大きな対立軸も争点も見当たらない。あえて言えば、今回の争点は嘉田支持か、否かに過ぎない。
そもそも二元代表制のもと、県議会で与党、野党の色分けはありえない。議会の存在そのものが野党なのに、これではチェック機能が働かないおそれがある。
---対話の会は、 民主候補(推薦含む)十八人中、八人に推薦を与えたが、嘉田知事の狙いは。
大橋 今回の県議選で、嘉田知事は自分の応援団の対話の会公認候補が八人しか擁立できなかったので、民主候補の一部を推薦して取り込む戦略だろう。推薦した八人のうち、どれだけが当選して、民主党・県民ネットの会派で、ウェートを占めるかが焦点だ。半数を超えれば、場合によれば民主の党則がきかずに、ますます知事に傾くことになろう。








