行革は隗より始めよ 2011統一地方選<2>
◇全県
「行革は、まず隗(かい)より始めよ」と指摘するのは、滋賀県知事から衆院議員に転身し、「自社さ」連立政権を誕生させた武村正義元大蔵大臣。四月一日告示の県議選の争点である職員の人件費削減などの「行革」と「議員改革」について聞いた。【石川政実】
――東北関東大震災の被災地は深刻な事態が続ていますが、滋賀県では県議選が四月一日に告示されます。このような中、嘉田由紀子知事も対話の会の候補者応援に奔走していますが、どう思いますか。
武村 被災地のことが心配で夜も眠れません。やはり全国レベルで、統一地方選は見送るべきだったと思います。この時期に選挙応援どころではありませんよ。
――ところで河村たかし・名古屋市長の減税日本、橋下徹・大阪府知事の大阪維新の会などの地域政党が注目を集めていますね。
武村 河村さんは、市民税一割削減などユニークな提案をされていますが、逆に名古屋市の借金はふえているでしょ。この時代は、市民につらいことを言わなければ、本物の政治とは言えませんよ。
――今回の県議選では、各党とも議員報酬や職員の人件費の二、三割カットを打ち出していますが。
武村 議員報酬は、欧米の地方議員と比べると異常に高いですね。ある新聞では、欧米の十倍近いと報道されていました。そもそも地方議員は、ボランティアが原則だと思います。その意味で地方議会は夕方と休日に開くべきです。つまり地方議員は、昼間は生業で稼ぐべきだと思います。実際、欧州では当たり前です からね。
――今回は、行財政改革も争点の一つになっています。嘉田知事は来年度予算編成に当たり「財政再建は死ねというのに等しい」とし、今後は国に地方への財源委譲を迫るとしていますが。
武村 今年の地方の財政規模は全体で九十一兆円ですが、ほぼ国の財政規模と同じです。ところが財政赤字は、地方が二百兆円ぐらいに対し、国はその三倍の約六百兆円ですからね。だから国に期待するだけでは、迫力がありません。嘉田さんに言いたいのは、消費税を一〇%に上げて、そのうちの半分を地方に回して くれと言うなら、それは筋論ですと。だから地方の知事も議員も、嫌われても増税論をぶつべきです。
――嘉田知事は、人件費削減はもう限界だと言っているわけですが。
武村 それはあまりに甘過ぎる。そもそも人件費の二割カットは、嘉田さんの公約でしょ。人件費に手をつけないで、行革なぞ出来ません。例えば秘書課のスタッフも、率先して半分ぐらいにしたらどうです。県庁の組織は、僕の時代より、ずいぶんと肥大化していますから、もっと組織をスリムにすべきです。副知事 も二人はいらない。知事公舎も滋賀県公館もいらないですよ。もっと、むだが省けるはず。県民に行革を訴える以上は、まず隗(自分自身)より始めよ、です。








