守られた二元代表制
◇全県
県議選(定数四七)は十日投開票され、嘉田知事に「是々非々」で臨む自民系(推薦、無所属含む)は二十六議席(選挙前二十議席)と単独過半数を超えた。同じく公明は、現状維持の二議席を死守、逆に知事与党の民主は十二議席と五つも議席を減らした。知事与党の本家・対話の会は、一議席増の五議席(支持含む)、共産は三議席からゼロに転落、みんなの党が初の一議席、無所属が一議席(同一議席)となった。県議選を記者座談会で振り返ってみた。 【石川政実、高山周治】
――対話の会は、健闘したね。
A 確かに対話は議席を一つ増やしたが、自民系に過半数を許したことは事実上の敗北だ。対話の会は当初、民主と組んで過半数を握る戦略で候補者擁立を進めてきた。しかし、民主の落ち込みがすごく、対話はあわてて告示直前まで候補者擁立を模索することになる。対話の会は公認候補八人、支持候補一人の計九人を擁立したが、四人を落とすなど、嘉田知事の神通力も色あせたね。
B 嘉田知事のお墨付きだけで当選する時代は終わったよ。事実、井阪尚司氏のように、地域で地道な活動を行ってきた人は当選するが、地域になじみのない小川泰江氏は優秀なのに伸び悩んだ。
――それにしても民主は大きく後退したね。
A 民主も当初は、二十人以上の候補者擁立を目論んだが、なり手がなく、後手、後手に回り、結局、十八人の候補者に絞り込んだ。しかし野洲市のように対話の会が割り込んできて、ダメージが倍加した。しかも対話からの推薦が、たったの八人だったしね。
B その八人もよく見ると、約半分は落選している。嘉田知事の推薦効果は、疑問だ。地方議会は、首長をチェックする機関だけに、民主が現在のように嘉田知事べたべたでは、そのうち県民から完全に見捨てられるよ。
――過半数を超えた自民は。
B 一言で言えば、政権与党の民主党への逆風で勝ったに過ぎない。同党県連の各連協の会長には、現職県議が兼ねており、新鮮な候補者の芽が今回もつまれた。衆院選で勝って始めて自民は回復したと言える。まだ天狗になるには早すぎる。
――最後に今後、県議会は、どうなっていくだろう。
A 嘉田知事は、田口宇一郎副知事を使って自民党議員を一本釣りし、同党会派の内部分裂を画策する可能性が高いね。
B 民主党の方も内部分裂の可能性があるよ。中沢啓子氏など対話の推薦をもらった県議と、山田実氏のようにもらわずに対話の会と死闘を演じた県議とでは、嘉田知事に対するスタンスが違ってくるからだ。
――今回の自民圧勝で、嘉田知事のイエスマン議員ばかりが県議会を占めて、民主主義の根幹である二元代表制が破壊される事態は回避できた。昨年の知事選で四十二万票を得た嘉田知事のおごりも今回の結果を生んだ。県民は絶妙のバランス感覚だね。








