血染めのハンカチなど展示
◇大津
大津市歴史博物館は今月二十九日まで、ミニ企画展「大津事件と津田三蔵」を開いている。今年は大津事件が発生して百二十年。同展ではこれを記念して、津田三蔵が皇太子ニコライを斬りつけたサーベルや、負傷したニコライが使った血染めのハンカチなど約四十五点を展示し、事件の全体像を分かりやすく紹介する。
大津事件は明治二十四年(一八九一)五月十一日、来日中のロシア皇太子ニコライが、大津遊覧中、沿道を警備していた巡査・津田三蔵に斬りつけられたもの。
これが、後に日本全体を揺るがすことになる大津事件の発端となった。ニコライは事件現場近くの呉服商永井家で応急手当を受けるが、事件後に永井家を訪問したロシア士官や青木周蔵外務大臣、ニコライを助けて勲章と褒賞金が下付された人力車夫などの名刺が残されている。
大国ロシアの脅威におびえた政府の閣僚たちは、皇室に対する罪(大逆罪)を適用して、津田三蔵を死刑にしようと画策したが、時の大審院長児島惟謙(これかた)は、外国の皇太子には適用されないとして、通常の謀殺未遂罪で裁くことを主張。結局五月二十七日、大津地裁で開かれた大審院法廷で、裁判官たちは児島の主張どおり、謀殺未遂罪を適用し、無期徒刑(むきとけい)の判決を下した。この事件は後世、司法権の独立を主要な論点とした、さまざまな研究が発表されるなど、日本近代史上に特筆される重大な事件とされている。
観覧料は一般二百十円、高校大学生百五十円、小中生百円。問い合わせは大津市歴史博物館(TEL077―521―2100)まで。






