研修員22人 日野の生活文化知る
◇東近江・日野
総務省と財団法人自治体国際化協会による「自治体職員協力交流事業」に参加している外国籍の研修員二十二人が四日、日野町を訪れ、近江商人の精神性に触れるとともにおくどさんで炊いたご飯をおにぎりにする体験から日本の生活文化を吸収した。
親善交流から協力、そして多文化共生社会の実現へ。地域の国際化が加速する中、人づくりを通じた国際協力基盤を築こうと、平成八年度から「自治体職員協力交流事業」が始まった。
姉妹交流を軸に、日本の地方自治体(都道府県・政令指定都市・市町村)が、海外の地方自治体などから将来指導者になり得る優れた資質を備えた職員を受け入れ、さまざまな知識や技術を共有するもので、総務省と自治体国際化協会が財政面も含めて受け入れ実務の支援を行っている。
平成二十二年度までに、三十四カ国・地域から九百三十八人の研修員が来日。近年は一般行政以外に、観光や環境、インフラ整備に関する専門研修を希望する人が増えているという。
同協会交流支援部経済交流課主査の宮崎照也さんは「研修員たちは、帰国後、母国で日本の魅力を伝えながら両国の窓口としても活躍しており、継続的な友好関係の礎になっている」と語り、多文化共生部多文化共生課プログラムコーディネーターのマット・ダグラスさんとともに日本の神髄に触れる本物体験を事前研修に組み込む。
今年度は、東日本大震災で発生した原発事故の影響で、参加を取り止めた人もいたが、五月中に二十二人の研修員(中国十二人、ブラジル三人、モンゴル二人、ペルー・ベトナム・インドネシア・フィリピン・ロシア各一人)がそろった。
現在、研修員は、各自治体へ向かう準備期間として、大津市唐崎にある全国市町村国際文化研修所に約一カ月滞在し、日本語を猛勉強中。専門家を招き地方自治体の行財政問題や高齢化社会の福祉施策に関する見識も深め、週末には県内外へ繰り出し日本の生活風土を肌で感じている。
今回は、彦根城を見学後、日野町を訪問。近江日野商人館の奥座敷で、地元の味覚が詰まったかますけ工房お手製弁当を堪能し、藤澤直広町長の歓迎を受けた。
同館職員の北川政子さんから日野商人の行商方法や三方よしの理念、生活形態を教わり、研修員は「今の日野商人はどうしているのか」や「現在の日野町の産業は何か」と熱心に質問、商家の町並みが残る清水町や信楽院、綿向神社も見て回った。
最後に風流郷邸へ移動し、ひのきの会メンバーがおくどさんで炊き上げたご飯で、俵型や三角形のおにぎりをむすんだ。
六月下旬から東近江市役所に赴任予定の何哲(カ・テツ)さん(27)=中国=は「普段は研修所での勉強ばかりなので、とても楽しくて日本の文化を深く知るいい機会になった。自分に与えられた研修を頑張りながら、日本の社会福祉や企業マネジメントも学んでみたい」と話し、ピラミッド型のおにぎりを完成させていた。
この事前研修を終えると、研修員たちは、北海道から佐賀まで全国の赴任先へ飛び立ち、目に見えない放射能の恐怖心を温かい絆に変え、日本と世界をつなぐ揺るぎない友好の懸け橋となる。









