経営難に陥っている県公社の「クリーンセンター」
◇湖南・甲賀
経営難に陥っている産業廃棄物最終処分場「クリーンセンター滋賀」(甲賀市)を運営する県環境事業公社(理事長=嘉田由紀子知事)に対し、県が地域振興費を公社を通じて支出するのは違法として、地元住民三人が十五日、支出の差し止めを求める住民監査請求を県監査委員に提出した。七月十一日の県議会環境・農水常任委員会でも地域振興費見直しの論議が活発化しそうだ。 【石川政実】
事業費に対し74%の地域振興費
「県支出は違法」と住民監査請求
請求によると、公社は周辺住民の理解を得るため地元に地域振興費として五十五億円(甲賀市四十七億四千万円、地元神区七億四千万円)を決めているが、廃棄物の処理量が当初見込みの三分の一の年間二万トン程度で、環境面への影響が予想された程度に達していないなどの理由から、県が公社を通じて支出しているのは違法としている。
クリーンセンターは平成二十年十月、公社によって開設された産業廃棄物の管理型最終処分場。一期工事までの事業費七十三億六千万円(地域振興費除く)に対し、地域振興費五十五億円はその七四%に当たる。
ちなみに地域振興費はすでに二十二年度までで、甲賀市に二十億七千万円、神区に三億六千万円が公社から支払われている。
監査請求を行った地元住民と県関係者の陳述が六月二十二日、県庁で行われた。
甲賀市の市民団体「甲賀を『美しくよくする会』」の山田克会長(71)らは「甲賀市への地域振興費が、くすり学習館などに充てられているが必要性はない。地域振興費を市は返上して、、今後の環境対策費に使うべき」と陳述した。
これに対し県循環社会推進課・中村豊久課長らは「地域振興費は、公社と地元、市の契約行為であり、公社はその義務を免れない。支払いが滞れば、県や公社への地元の不信感が高まり、産廃の受け入れを地元が認めず、産廃の最終処分が不可能になる」と反論。
毎年十数億円を県が一般会計から補填(ほてん)している公社の経営改革について、県が諮問した有識者で構成する経営改革方針検討委員会は三月二十八日、「埋め立て期間や地域振興策の見直しのため、地元と協議を進めるべき」などとした報告書を知事に提出している。
県ではこの提言を受け、七月十一日の環境・農水常任委員会で、公社の基本方針案を公表するが、今回の監査請求と相まって、地域振興費の見直しは避けて通れないと見られる。
(注)地域振興費=公社は地元神区については一〇〇%交付するが、甲賀市の分については県・公社が同市事業の二分の一を補助する仕組み。







