公開された資産等補充報告書から判明
◇大津
滋賀県には、刑事コロンボならぬ市井のコロンボがいる。大津市在住の田中敏雄氏(69)=自営業=は、県政ウォッチャー(監視役)として、四日に公開された滋賀県知事・嘉田由紀子氏の昨年十二月三十一日現在の資産等補充報告書から同氏所有の土地、建物などを調べる中で、大津市坂本本町の山奥にある建物が不法建築であることを突き止めた。田中氏は近く、嘉田知事に公開質問状を提出する。 【石川政実】
近く嘉田知事に公開質問状の動き
田中氏は、嘉田氏の“素顔”に迫ろうと、公開された資産等報告書を調べた。 それによれば、嘉田氏は同市坂本本町四五四七―三の土地(面積六百七十二平方メートル)、建物(床面積百七十七平方メートル)=写真=を所有している。ただし土地、建物とも、元夫と二分の一の持ち分である。
登記簿謄本等を調べたところ、土地は、この辺り一帯の地主・T氏から、嘉田氏が平成二年三月三十一日付けの売買契約により、同年四月十九日付けで所有権移転している。この土地の上にある建物も、嘉田氏が前の持ち主のO氏から同年三月十七日付けの売買契約により、同年三月二十七日で所有権移転している。ちなみに、この木造スレート葺平屋建ての建物は、昭和五十六年に建築された。
本紙記者は田中氏の軽乗用車に同乗し、伊香立浜大津線47号を西教寺から雄琴千野町に向けて、狭い山道をくぐり抜けると、視界が急に開け、そこには比叡山のすそ野が広がっていた。この場所は、農水省が戦後の食糧難から、国有地を開拓農地として地元有志に払い下げた原野という。 辺り一帯は、市街化調整区域内で、しかも嘉田氏所有の建物付近には市道や県道といった公道はなく、建物が建てられないところである。
大津市都市計画部建築指導課・横江善嗣次参事は「ご指摘の通り、この建物は、現在に至るまで市に建築確認申請が提出されておらず、明らかに不法建築だ。早速、現地に出向いて、撤去命令などの措置が必要か調査したい」と本紙取材に答えた。
これについて当の嘉田知事は「土地はT氏から平成二年三月三十一日に、建物についてはO氏から同月十七日に、宅地建物取引業者の仲介で購入した。購入に当たって、同建物が建築確認を受けたものかどうかを確かめていないが、今後、関係機関と相談して考えたい」とコメントした。
田中氏は「嘉田氏は平成二年に住所を同市比叡平一丁目から坂本本町へ移している。地元の人によれば、水道、下水もなく、住むには大変困難という場所であるだけに、嘉田氏は本当に住んだのだろうか。もし住んでなければ公正証書原本不実記載等罪(注)に抵触するだけにそんなことはないだろうが、念のため、嘉田氏に公開質問状を提出したい」としている。
(注)公正証書原本不実記載等罪=「公務員に虚偽の申告をして、登記簿、戸籍簿、住民票などの公正証書の原本や電磁的記録に、事実でない記載・記録をさせる罪。刑法第一五七条が禁じる。五年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処せられる。また、免許証やパスポートなどに事実でない記載をさせた場合は、一年以下の懲役または二十万円以下の罰金に処せられる」(主に大辞泉より)







