米国科学雑誌で報告
◇湖南・守山
県立成人病センター(守山市)の入野保臨床検査部主任技師長、内海貴彦血液腫瘍内科科長、同研究所の木下和生専門研究員らは骨髄増殖性腫瘍という血液のがんで起きている異常を明らかにし、七月十九日米国科学雑誌プロスワンに報告した。骨髄増殖性腫瘍の診断と治療に応用できる発見であると期待されている。
骨髄増殖性腫瘍は、六十歳以上の高齢者に比較的多く発症する血液のがんの一種で欧米では人口一万人につき年間一人程度、日本ではそれよりやや低い割合で起こると言われている。
赤血球が増える型(多血症)と血小板が増える型(血小板増多症)が含まれている。骨髄増殖性腫瘍ではJAK2という細胞内のタンパク質に変異が頻繁(ひんぱん)に見つかる。
このJAK2の変異がなぜ腫瘍の発症に結びつくのかは不明だったが、同研究によりJAK2の変異がPU.1というタンパク質を増量させていることが明らかになった。PU.1は動物実験などから血液腫瘍の原因となることが知られていたので、今回の発見は腫瘍で見つかる遺伝子の異常と腫瘍を引き起こすタンパク質の間を結ぶ研究成果といえる。
骨髄増殖性腫瘍が発症するメカニズムは、エリスロポイエチンは赤血球の生成を促進するタンパク質である各エリスロポイエチンの信号を細胞内で伝達するJAK2タンパク質の六一七番目のアミノ酸がバリン(V)からフェニルアラニン(F)に変化すると、エリスロポイエチンの有無に関わらず信号がPU.1タンパク質を経由して伝わり続ける結果、細胞が増殖し、がんが発症する。





