周辺の山林、ダイオキシン汚染も
◇湖南・甲賀
●搬入量確保が最優先
平成二十年十月にオープンした県環境事業公社(理事長=嘉田由紀子知事)の産業廃棄物管理型最終処分場「クリーンセンター滋賀」(甲賀市)は、当初計画では年間六万七千トンの廃棄物の搬入を見込んでいた。しかし、いざふたを開ければ、二十年度が二万五千トン、二十一年度二万トン、二十二年度三万五千トンと大きく落ち込み、県から毎年十億円を超える補填(ほてん)をしないと経営破綻に陥る状況にある。
「なにがなんでも搬入量を増やすんや」。センターの焦りは、搬入車両の過積載を事実上、黙認するといった脱法行為に走らせ、さらには甘い受け入れ体制へと突き進み、“負の連鎖”が続いていくのだ。
本紙はこのほど、産業廃棄物を積んだ搬入車両が「展開検査場」での最終チェックを経た後、センターの車両に廃棄物を移して場内の埋め立て地におろした際、焼却施設などから発生する「ばいじん」(注)とみられる粉じんが舞い上がる決定的瞬間(写真)を撮影した。
●作業員の労災も懸念
産廃問題に詳しい元大阪市立大学大学院教授の畑明郎氏に写真を分析してもらうと「乾燥した『ばいじん』が飛散している可能性が高い。黒っぽいので、明らかに土ぼこりではない。もしダイオキシンなどが含まれる『ばいじん』なら、処分場に持ち込むにはあらかじめ水分を添加し加湿するか、袋に梱包などをして飛散防止措置を図ることになっているが、それが守られていないことになる。センターの作業員らの労働災害も懸念される。また写真では、空中に飛散して風に運ばれており、処分場外の民間の周辺山林がホットスポット的にダイオキシンや有害な重金属で汚染されている可能性があり、県は土壌調査をすべき」と指摘する。
谷口秀治・同センター所長にも同様の写真を見せたところ、「これは、鋳物(いもの)業者から出る『鉱さい』の粉じんだ。一か月に一回の割合で持ち込まれている。『鉱さい』は、『ばいじん』と違って有害性が比較的少なく、かつ比重が重いので、場外に飛散する恐れがない」と釈明する。
しかし畑氏は「『鉱さい』なら、写真のように高く舞い上がらない。百歩譲って、谷口氏の言うように、『鉱さい』の粉じんとしても、鋳物には鉄系と非鉄系があり、非鉄系の場合、鋳物の『鉱さい』には銅や鉛など有害な重金属が混ざっており、写真のような空中への飛散は、周辺環境上も好ましくない」と反論する。
いずれにせよ、「鉱さい」の粉じんであれ、「ばいじん」の粉じんであれ、場外の周辺土壌が深刻な汚染の危機にさらされている可能性は否定できない。【石川政実】
(注)ばいじん=焼却施設などから発生する“すす”や燃えかすの粉じんで、ダイオキシンや鉛などの重金属などが含まれている。







