電車にコスプレ写真ラッピングも
◇栗東
滋賀県出身で最も有名な小学生をご存知だろうか。道路の脇から今にも駆け出してきそうな、元気いっぱいの大きな瞳をした男の子。そうです、「飛び出し坊や」です。不思議なかわいさで静かなブームとなっている中、発祥の地である滋賀県でごくありふれた風景の一部となっている飛び出し坊やを、ご当地アートとして見直しませんか。
「味わいのある顔つきでいいね」。「カラフルな服がかわいい」。栗東市東坂のビニールハウスで開かれた、飛び出し坊やのデザインコンテスト。参加者は出来栄えを口々に評した。
ご当地アートとして見直す同コンテストには、県内外の親子連れ約五十人が、工夫を凝らしたデザインを描いた。
きっかけは、主催者の一人、農業の門田充史さん(36)=湖南市=が東日本大震災の支援ボランティアで知り合った福島県内のアーティストの女性二人を県内に招待したとき、二人が飛び出し坊やに感激して記念撮影を始めた。
この意外性に興味をもち、コンテストを思いつき、異業種交流の仲間と企画した。
一方、県内でアートイベントを企画する芸術家集団「mfat(モファ)」も昨年十一月、「リアル飛び出し坊や」をテーマに、メンバー自らがコスプレで飛び出し坊やになりきり、集合写真を京阪電車の車体にラッピングデザイン、乗客の目を引いた。
代表の川本哲慎さん(31)=守山市=は「ご当地限定の不思議なかわいさが魅力。滋賀県民にとっては当然の存在だけど、他府県ではそうでない。例えれば、香川県の讃岐うどんのようなもの」と評する。
飛び出し坊やのルーツは、八日市市(現・東近江市)社会福祉協議会が昭和四十八年、子どもの交通事故を防ごうと、看板製作業の久田泰平さん(70)=東近江市=に製作依頼したのが始まりで、やがて県内一円に広まった。
飛び出し坊やが立ち並ぶ、滋賀の風景。それは子を思う親心がつくりだした風景でもある。
デザインコンテストを企画した、前述の門田さんの目標は、地元で認知度を高めた後、東日本大震災の被災地へ飛び出し坊やの看板を送ることだ。
「子どもの安全を願う飛び出し坊やの看板があるだけでも、被災地のみなさんに和んでもらえますよ」と目を細めた。








