溝口弘さんたちの「てんとうむし1号」
◇湖南
つかうから、つくるへ。エネルギーのあり方が大きく変化しようとする中、注目を浴びるのが、太陽光発電をはじめとするクリーンで持続可能な自然エネルギー。湖南市では市民有志が平成九年から、太陽光パネルによる共同発電所「てんとうむし1号」を稼動させ、原発に依存しない暮らし方を探ってきた。
市民有志が共同出資
太陽光発電こつこつ15年
市民共同発電所の太陽光パネルが設置されているのは、障がい者の自立を支援する溝口弘さん(64)が代表を務めるなんてん共働サービスの屋根の上。平成九年、二十五人が共同出資し、太陽光パネル約二十枚が取り付けられた。
一時間あたり発電量は三・七五キロワット。晴天の平日は事務所で消費し、雨天は関電から電力を購入、休日の余剰電力は同社へ売却する。
今でこそ市民が共同出資する小規模の発電所が広がりつつあるが、十五年前はあまり前例のない取り組みだった。初めてを耳にしたのは平成八年春。知人が突然押しかけてきて、熱心に説明した。
はじめは大規模発電所の先入観しかなかったため、「何のことかさっぱり分からなかった」と困惑したが、半年間、説明を受けるうちに、ぼんやりと輪郭がつかめてきた。
溝口さんが目指すまちづくりは、「命」と「自立」をテーマに、小規模な事業所やグループホームを地域で分散させ、障がいのある人もない人も共に地域で働き、その人らしく自立して生活できるまちづくりだ。
一方の太陽光エネルギーによる市民共同発電所も、小規模な自然エネルギーというリスクの少ない点で「命」が根底にあり、自ら発電することで、原発に依存しない「自立」を目指していた。
共感を覚えた溝口さんは、出資者を募り、市民共同発電所「てんとうむし1号」を設置。五年後には第2号を関連のグループホームに設けた。
溝口さんは、共働事業所やグループホームなどの事業所の運営の傍ら、市民共同発電所の設立・運営に関わった経験から語る。
「福祉も、地球温暖化防止・脱原発も、もう一つの本質は『小規模』ということ。大規模な発電所に頼るのでなく、家庭などの小口電力は、小規模なクリーン発電による、ほどほどの暮らしに転換することが必要と考えさせられた」と。







