原発安全協定 事業者側は慎重意見
◇全県
滋賀県と高島、長浜両市は二十六日、福井県内で原子力を運転する関西電力など三事業者と、「原子力安全協定」の締結に向け、二回目の協議を県庁で行った。県側は、発電所の建設計画など重要な変更についての事前了解▽運転再開の事前協議―など十項目を初めて提示した。
具体的には(1)異常時における連絡(2)事前了解(発電所の建設計画、原子炉施設の重要な変更についての事前了解)(3)立入調査(発電所の周辺環境の安全を確保する必要があると認めた場合、発電所の立ち入り調査をすることができる)(4)適切な措置(立入調査の結果、事故・有事などで必要と認めた場合、停止を含む特別な措置を求めることができる)(5)運転再開の協議(適切な措置の求めにより運転を停止した場合や国が事故調査のための特別な委員会を設置するような事故の場合、運転再開の事前協議を行う)(6)原子力防災対策(原子力防災対策の充実強化、地域防災への協力など)(7)環境監視体制の強化(事業者が滋賀県においても環境放射線測定設備を設置する)(8)輸送計画の事前連絡(新燃料、使用済燃料及び放射線廃棄物の輸送計画並びにその輸送に係わる安全対策についての事前協議)(9)再生可能エネルギーの導入促進(10)その他(損害の補償、公衆への広報、協定書の改定)―となっている。
原発立地県並みの項目は、事前了解(2)▽立ち入り調査(3)▽適切な措置(4)▽運転再開の協議(5)▽輸送計画の事前連絡(8)―の五項目で、原発立地県の福井県との安全協定には盛り込まれていない項目としては、環境監視体制の強化(7)▽再生可能エネルギーの導入促進(9)―の二項目。
これに対し事業者側の関西電力の木村仁・原子力事業本部副事業本部長は「福井県の立地市町の方々とは、原発の立地、建設、運転と五十年の時間を過ごしてもらい、時として厳しい局面を渡っていただき、その中で完全協定をつくり、運用してきた。このような歴史的経緯を踏まえて、慎重な協議を進めさせていただきたい。滋賀県から今日、安全協定の項目を初めて見せていただいたので、持ち帰って検討したい」と慎重な発言にとどまった。
一方、高島市の古川茂樹防災監は「3・11で新しい歴史が始まった。安全だと言われていたのがそうでなくなった。過去の歴史にとらわれないで(隣接する滋賀県の立場を)理解してもらいたい」と訴えた。
協議後、県担当者は「事業者にとっては相当ハードルが高かったようだ。年度内の締結はむずかしいかもしれない」との感想を述べた。







