日本科学者会議滋賀支部が表明
◇全県
福島第一原発事故を受けて県が見直しを進めている県防災計画の原子力災害対策編について、日本科学者会議滋賀支部の原子力災害専門委員会(委員長=西山勝夫・滋賀医科大学名誉教授)がこのほど、福井県の全原発十四基が制御不能になる最悪事態を想定すべきとする見解を表明した。これは県計画が、美浜あるいは大飯の両原発において、福島第一原発と同程度の事故を想定しているためだ。
県策定中の原子力防災計画に対し
最悪事態に備えて見解表明
東日本大震災では、福島第一、第二、女川、東通、東海第二の五原発で事故が発生し、このうち福島第一の一~三号機が制御不能に陥り、炉心溶融を起こした。「こうした経緯を考えれば、福井県で最悪事態が起こる可能性を排除できない」として見解を示した。
それによると、第一に「(高浜、敦賀の原発を含めた)福井県原発全十四基が制御不能になるという最悪事態が起こり、核燃料・核廃棄物の大部分が放出される過酷事故について、(放射性物質の拡散を予測する国のネットワークシステムである)SPEEDI(スピーディ)の活用を含めたシミュレーションを行うべき」と指摘している。
というのも「福島第一原発事故では、全体の一%の放射性物質が放出されただけで、あれだけの惨事が起きた。東北地方以上に密集している福井県の原発が地震、津波に襲われた場合、福島第一原発以上の事故になる可能性は大いにある」からだ。
これについて県防災危機管理局は、福井県内の全十四基が制御不能になる事態は「想定していない」とした。
SPEEDI活用については「国は従来、原発から十キロ圏内の自治体にのみ公表してきたが、現在は三十キロ圏内の自治体に拡大する方向性なので、滋賀県が国から提供を受ければ、県のシミュレーションと整合性を図りたい」とした。
加えて日本科学者会議滋賀支部は、県が拡散予測する放射性物質は、半減期八日と短いヨウ素のみであるため、「(半減期三十年と長い)放射性セシウムなどの被曝についても短期的、長期的影響の予測をすべき」とみる。
この指摘に県防災危機管理局は「今回は、緊急避難を中心に策定しているので、短期的に影響のあるヨウ素を考慮した。中長期的な防災計画では、セシウムの影響を考慮しなければならないので、今後国の状況をみながら対応していきたい」とした。
また、琵琶湖への影響に関しては「来年度の予算に盛り込み、県琵琶湖環境科学研究センターが持つ湖流のデータを生かして研究したい」と説明する。
なお、県が現在策定している計画は、<1>県民の避難<2>放射性物質の監視<3>情報伝達-の三本柱で、三月末の防災会議で確定する。四月以降は被曝量、医療、緊急被曝計画なども検討に加える。







