県、UPZ43キロに拡大
◇全県
県はこのほど、地域防災計画の原子力災害対策編の見直し案をまとめた。これは第四回検討委員会(林春夫委員長)で県が示したもの。
国が原発事故対策として原発から半径三十キロ圏内とした「緊急防護措置区域」(UPZ)を、県が独自に実施した放射性物質の拡散予測結果に基づき、最長四十三キロまで拡大している。
災害想定では、現行が「敦賀原発で、米国スリーマイル島事故等が発生した場合」としていたのを、今回の見直し案では「敦賀原発、美浜原発、大飯原発、高浜原発で福島第一原発事故と同規模の放射性物質が外部に放出した」と想定を変更した。
この想定で、県は独自に四原発で事故が起きた場合の放射性ヨウ素の拡散予測を重ね合わせて、県版防護区域を決定した。県の予測結果で、呼吸に伴う甲状腺被ばく線量が「一〇〇ミリシーベルト以上」で屋内退避が求められる範囲をUPZとして、長浜、高島両市の一部地域を含めた。
また国が五十キロ圏内を目安とした安定ヨウ素剤の服用が必要とされる「放射性ヨウ素防護地域」(PPA)についても県の拡散予測で、美浜原発から八十九キロにも拡散する結果が出たため、県内全域に対象を広げた。
一方、情報収集・連絡体制については、現行が「国・事業者・立地県→県→関係市」の情報の流れとなっているが、見直し案では「国・事業者・立地県→県→県内全市町に拡大」し、国が滋賀に情報提供することになった「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)の運用体制の整備を行うとしている。
また避難計画の見直しでは、避難等のための初期活動開始指標として▽拡散予測で呼吸に伴う甲状腺の被ばく線量の積算値が「五〇~一〇〇ミリシーベルト未満」=屋内退避▽「一〇〇~五〇〇ミリシーベルト未満」=コンクリート屋内退避▽「五〇〇ミリシーベルト以上」=避難―を新たに設定している。なお、避難、屋内退避、安定ヨウ素剤の予防服用など防護措置を決定するための判断基準については、国の原子力安全委員会で検討中であり、この見直しを踏まえ、今後さらに改訂するとしている。
委員会は十日に嘉田由紀子知事に見直し案を提出する。来月の県防災会議で諮り、地域防災計画(原子力編)の見直しが正式に決定する。







