良質な肉質のビワマス開発
◇米原
県水産試験場醒井養鱒場(米原市)は、一年を通じて高品質なビワマスを出荷できる全雌三倍体魚の生産技術を確立し、水産庁に確認申請を行った。
ビワマスは琵琶湖固有のサケ科の魚で、大きいものでは体長五十センチ、体重二キロを超える。水温一〇度の琵琶湖の深層を回遊し、生後三~四年で成熟して生まれた河川に遡上して産卵する。上品な脂がのり、サケ科のなかでは最も美味といわれる、年間二十~三十トンが漁獲されている。
醒井養鱒場では、ビワマス養殖の実用化に取り組み、成長の良い親を選び出し、次の世代を作るという「選抜育種」によって、平成十七年にはふ化後二十か月で体長四十センチ(体重約一キロ)以上に成長する「高成長系養殖品種」を作り出した。
だが養殖ビワマスは、天然ビワマスと同様に成長すると成熟して肉質が劣化し、産卵後は死んでしまう。そこで醒井養鱒場では、成熟せず、いつまでも良好な肉質のまま成長する三倍体ビワマス技術を確立したもの。
多くの生物には卵と精子から伝わる遺伝情報(染色体)が二セットあり、その総数は二の倍数となるため二倍体とよばれる。これを三セットにしたのが三倍体で、通常不稔となり成熟しない。その利点をいかして栽培作物などで利用されている。なお、この技術は、遺伝子組み換えではない。
三倍体ビワマスの作り方は、雌になる遺伝情報しかもたない雄(にせ雄)の精子を受精させ、二七度の温水につけることで全雌三倍体魚となる。
醒井養鱒場では「三倍体ビワマス技術の確立により、一年を通じて高品質なビワマスを市場に供給でき、安定供給できるため、ビワマス全体の流通安定につながる。今後は、天然ビワマスとこの全雌三倍体ビワマスを活用して、琵琶湖の宝であるビワマスの普及に努めて行きたい」としている。







