周辺住民ら県へ監査請求
◇全県
殺人・放火・強姦などを犯しても心神喪失で刑事上の罪を問えない「触法精神障害者」の入院治療を行う医療観察病棟(草津市)の建設について、隣接する大津市青山学区の住民らが二日、設置者である県に対し、「新築で開発許可を得る必要があるのに、それを受けずに建設するのは違法」などを理由に、約千三百人の署名を添付して事業費差し止めを求める監査請求を行い、反発を強めている。署名は今後も膨らむ見通しで、監査請求を重ねて行う方針。【高山周治】
住民「大規模新築なのに開発許可なく違法」
県 「既存施設と棟続きで増築」
監査請求によると、都市計画区域で建物を新築(新たに開発行為)する場合、所管庁から開発許可を得る必要がある。しかし、県は医療観察病棟の開発許可を、草津市へ申請していない。このため住民らは監査請求で「違法」と指摘している。
これに対して県建築課は「医療観察病棟は、既存の県立精神医療センター内に建てる。センターとは棟続きであり建築的には『増築』」と反論している。
しかし、住民代表は「建築許可申請の文書では『増築』となっているが、県の内部文書では『新設』となっている。本来増築の規模であれば、内部文書も『増築』となるのに、そうなっていないのは規模がそれだけ大きいからだ。そもそも開発許可の必要な区域に、その判断の議論もなく、大規模な建物を建てるのは都市計画法に違反する」と主張している。
このほか監査請求では、差し止めの理由として、地元に対する虚偽説明を挙げ、具体例には、全国の医療観察病棟(医療観察法施行の平成十七年度以降)で重大な再犯事件はなかったと県が説明したとしている。
住民代表は「説明会の後になって入院・通院中の事故が全国で六件起こっていることが分かり、不安が高まった」と憤った。
これに対して県の医療観察病棟開設準備室は「虚偽ではなく、国に確認したあと訂正した」と弁明し、「今後も施設の安全について十分議論していきたい」と理解を求めている。
なお、平成二十五年夏頃完成予定の同施設は、鉄筋コンクリート二階建てで、延床面積二千六百平方メートル。ベッド数二十三床。本体施設については草津市で建築確認と六十条証明(都計法の適合性)が審査されている。医療観察病棟は全国で二十八あり、近畿地方では大阪府、奈良県に設置されている。






