能登川で「自主防災活動リーダー研修会」
◇東近江
能登川地区まちづくり協議会は二日、自主防災活動リーダー研修会(全四回)の公開講座として「まちづくりフォーラム~能登川は大丈夫?~」(共催=能登川地区自治会連合会・のとがわ福祉の会・能登川地区民生委員児童委員協議会)をやわらぎホールで開き、東日本大震災の教訓を胸に刻んだ。
防火に対応する自警団から、防災を含めた自主防災組織へ―。能登川地区五十二自治会のうち、十五自治会が自主防災組織を結成済みで、準備・検討中の十七自治会を含め約六割が備えを始めている。
自治会単位の自主防災組織化を後押しする能登川地区まちづくり協議会安全・安心事業部の泉登部長は「組織を作り訓練しただけではダメ。一人ひとりが防災意識を高め、常に意識することが大切」だとし、地域リーダー育成にも力を入れる。
過去二年間で四十五自治会が受講した研修会も、今回で三回目。午後六時からの公開講座には、自治会長ら地域住民約百十人が参加し、特定非営利活動法人レスキューストックヤード常務理事・浦野愛氏と宮城県南三陸町社会福祉協議会総務課長・猪又隆弘氏の講演に耳を傾けた。
東日本大震災直後から、宮城県七ケ浜町の支援活動に携わった浦野氏は、食べるのも寝るのも同じ万年床による不衛生な環境や高齢者に困難な段差のあるトイレ・手すりのない風呂の使用などに苦慮した避難所生活から“避難所運営訓練”を防災訓練メニューに加えることを提案。
「自分たちのできることに気付き動ける人が、どれだけいるかが問われている。災害の一部を切り取った訓練よりも実態に即した訓練を行い、家具の転倒防止など住環境の安全性を高めることを最優先課題として取り組まなければならない」と指摘した。
町災害対策庁舎・警察署・消防署すべてが流失し、ライフラインも全滅する中、最愛の妻や仕事仲間を亡くした悲しみに暮れる暇なく、復旧から復興に向け指揮をとり続けてきた猪又氏は、自らの経験から備蓄品を点在させておく必要性を説いた。
また、被災地で浮かび上がった大きな課題に、自治会長の存否や熱意の有無により行政支援(住民への救援物資配布・情報伝達)に差が生じたことや、個人情報保護法が要援護者支援の足かせとなったこと、過去の教訓を生かしきれていない国の対応の遅さを挙げた。
物や金が人を変えてしまう被災地であっても、やはり長い復興生活を支えるのは“人とのかかわり”。既存のコミュニティーが崩壊したときの対応策を含め、減災戦略の要として「普段からコミュニティーをどう作っていくか」という観点を重視し、明確な目的意識に沿った備えを促した。
今は一日に何回笑ったかを考えるようにしているという猪又氏。復興を“まちが生まれ変わるチャンス”ととらえ、 「失ったものも大きいが、亡くなった人の供養のためにも復興しかないと思っている。部分的に復興しても、まだまだみなさんの支援が必要。一人でも多くの人に(講演内容を)伝えてもらうことが、被災地の復興の一助につながる」と訴えた。






