28日から 栗東歴史民俗博物館
◇栗東
栗東市綣出身の日本画家、西田恵泉(明治三十五年―昭和五十五年)が戦中、従軍画家として描いたスケッチを展示する「平和のいしずえ2012~描かれた戦争~」が二十八日から、栗東歴史民俗博物館(栗東市)で開催される。会期は九月二日まで。
同氏は湖国を愛し、琵琶湖の風景や風物を描き続けたことで知られ、「風景画家」と称されることもある。その一方で、太平洋戦争時にはフィリピン・ルソン島に渡り、戦場の風景や兵士を描く従軍画家として活動した。同展では、現地で描いた戦闘風景、同郷の兵士のスケッチを通して、戦争と平和について考える。
西田恵泉は大宝尋常高等小学校を卒業した後、川北霞峰(かほう、京都)の門下、日本美術学校(東京)を経て、京都市立絵画専門学校へ入学。その一方で堂本印象にも師事。帝展入選、京都市美術展などで画壇デビューを果たした後、昭和十年からは郷里に拠点を移した。
従軍が決まったのは昭和十八年。陸軍省から推薦依頼を受けた県は当初、蒲生郡の洋画家、野口謙蔵に交渉したが、本人は病気を理由に辞退。このため、恵泉に白羽の矢が立った。
この時の感想を「筆持つ兵隊の覚悟」だけでなく、「写実的な中に日本画の持温味を残したい」と当時の新聞で意欲的に語っている。
同年八月二十七日、宇品港(広島市)を出港し、フィリピン・ルソン島で半年を過ごし、翌十九年二月二十九日、マニラの飛行場を発ち台湾、宮崎県新田原(にゅうたばる)飛行場を経て三月二日東京立川飛行場へ到着した。
半年間書き留めた作品は五十点以上に上ったというが、陸軍省に提出され所在は不明だ。それを上回る膨大なスケッチの一部には、検閲印が記されている。
戦後は滋賀県の画壇をリードしつつ、高校などで教鞭をとった。昭和五十年九月には、スケッチ・下絵から再び作品を描き起こし、「戦争を体験していない若い人たちに恐ろしさを訴え、不再戦の誓いを立てたい」と、戦争絵画展を企画した。
入館無料。月曜休館。問い合わせは同博物館(077-554-2733)へ。








