「たるまさん」精神伝えたい
日野町議会議長も務めた故・桜本善兵衞氏(西明寺)のだるまコレクション四千九十六点が日野町に寄贈され、近江日野商人館(大窪)で贈呈式が行われた。
贈呈式には善兵衞氏の長男・善男氏(66 西明寺)、奥村薫町教育長、満田良順館長が出席。
満田館長から、桜本さんの好意で今年の新春企画展に「だるま展」を開催したところ、冬の入館者は少ないのが常だったが、このときは例年の約五倍の入館者を記録する人気を集め、会期後も展示継続を求める要望が相次いだため、展示を延長したというエピソードが紹介され、企画展への出品決定時から寄付の意向があり、日野商人とかかわりが深いだるまであることから、寄付を受けることを決定したと、経緯の説明が行われた。すべてのだるまは同館倉庫に収蔵する前に写真に記録し、そのアルバムを桜本さんにお礼の品として贈った。
奥村教育長が「商人館に来館される皆様に日野商人のこころ『たるまさん』精神を後世に伝えてまいります」と桜本さんに感謝状を贈り、「貴重なものを寄贈いただきありがとうございました。その数と種類に圧倒された。収集のきっかけが山中家の『たるまさん』精神で、根気強い精神力にも感服いたしました。今後大切にし、来館者に日野商人の生き方を学んでもらいます」と感謝した。
桜本さんは「父が四十三歳のときに二人目の妻を亡くし、六歳から十六歳までの五人の子を育てるには生易しいことではだめだと、山中園さんの『たるまさん』精神を知り、七転び八起きで苦難を乗り越えようとしたのではないか」と収集の経緯を父の思い出と共に語り、「父の気持ちを来館者に説明いただければ」との希望を添え、「商人館に収めていただいたことは、父も天国でさぞかし喜んでいることだろう」と喜びを語った。
「たるまさん」精神は、江戸時代に静岡で造り酒屋を営んでいた日野商人の山中正吉(西大路)の留守宅を守る妻・園が、自宅にだるま部屋を設け、一千点を超えるだるまを飾り、夫の店に新しい従業員を送り出す祭に、色紙にだるまの絵を描き、「心をたるまさんように、おきばりやす!」と訓辞した、と伝えられている。
善兵衞氏は、世界や国内の観光地などでだるまを見つけてはコレクションに加え、その数が五千点近くに達した。企画展を訪れた全国のだるま愛好家が、二つの部屋いっぱいに展示されただるまに圧倒され、一目置いたという。
今回、だるまを収納していたケースも、町内の小中学校や商人館に寄付された。








