五個荘近江商人屋敷で 16日まで
◇東近江
猛暑を乗り切るエコ生活を、五個荘近江商人屋敷に残る生活文化と本物を受け継ぐ地場産業から学べるとあって、夏季企画展「近江の麻~日本の夏をここちよく~」が注目を集めている。開催期間は十六日まで。
◆機能性とデザイン
古くから麻織物の産地として栄えてきた湖東地域。時代・生活様式・消費形態が変わろうとも、本物の素材と技術は生き残り、近江の麻製品も現代に応じた姿へと変化を遂げながら引き継がれている。
中江準五郎邸では、湖東繊維工業協同組合が成安造形大学非常勤講師・河原林美知子さんの協力を得て、地域ブランド“近江の麻”を使い完成させた「ウエディングドレス」が展示されている。
女性の美しさを際立たせるシンプルなデザインのため、麻素材の特性を残した光沢ある仕上がりが映え、後ろに飾られた外村みわさん(外村繁の母)の豪華な白無垢との共演も見ごたえがある。
次世代に麻の心地よい肌触りを体感してもらいたいという北川織物工場・北川陽子さんの発案で、滋賀県立大学人間文化学部の生徒たちがデザインを手掛けた子ども服(六着)も紹介。麻のイメージを覆すカラフルな色合いに、来館者の中には麻なのか触って確認する人もいるという。
◆風感じて心の休憩
呉服木綿類の販売を中心に商圏を広げ、近江を代表する豪商となった外村宇兵衛邸は、皇太子殿下も立ち寄られた場所で、麻製品の良さが五感で感じられる。
縁側にしつらえられている涼障子(すずしょうじ)は、網戸のように麻の蚊帳地を張り付けたもので、屋内に風を取り込み、見た目の涼感も演出。風鈴の音色に耳を傾け、麻のうちわであおぎながら、フカフカの麻座布団に座っていると、自然と心が落ち着く。
また、近江富士・三上山を背景に琵琶湖に浮かぶ田舟と水鳥を描いた水墨画のような大きなのれんから、モダンなデザインの現代風のれんまで十六点を、出入口や窓際だけでなく座敷に配置するなど、現代生活に応じた活用術もさりげなく紹介している。
風にたなびく色彩豊かな麻ストールや、通気性と吸水性に優れた麻の掛け布団と敷布団一式も展示されており、和の家屋に溶け込んだ目にもやさしい麻製品の数々と出合える。
麻製シャツを愛用する外村宇兵衛邸・白木洋さんは、「『のれんを飾る場所がない』との声をよく耳にするが、定番の出入口にこだわらず、部屋のインテリアとして活用すれば、目に涼しさを入れてもらえるのではないか。夏仕様で設計・建築されている日本家屋は、部屋や窓の配置だけでなく、木々一本に至るまで風の通り道を考えて造られている。短時間でも屋敷内を流れる自然の風を感じながらのんびりと過ごし、暑さに負けない元気を取り戻してほしい」と話していた。
開館時間は、両屋敷とも午前九時半から午後四時半まで。現在、クールシェアの取り組みとして、五個荘近江商人屋敷三館(外村繁邸・外村宇兵衛邸・中江準五郎邸)共通券が、個人で来館した場合でも団体割引料金(大人六百円→五百円、小人三百円→二百五十円)で購入できる。さらに、ゆかたで来館した人は入館無料。
問い合わせは、中江準五郎邸(TEL0748―48―3399)または外村宇兵衛邸(TEL0748―48―5557)まで。










