浜田・川西市オンブズパーソン代表に聞く
◇大津
大津市立中学二年生の男子生徒いじめ自殺問題を受けて、嘉田由紀子知事はこのほど、いじめなどの人権侵害から子どもを守る兵庫県川西市オンブズパーソンを参考事例に挙げ、いじめを減らす恒久対策の調査・研究を、県と県教委の合同対策本部に指示した。そこで本紙は、同市のオンブズパーソンを訪れ、課題を探った。【高山周治】
県規模では難しく
「圏域ごとの配置なら効果が」
川西市のオンブズパーソン制度は、市内小中学生のアンケート調査で深刻ないじめの現状が浮き彫りになったのを受け、平成十年十二月、全国初の「子どもの人権オンブズパーソン条例」が議会の全会一致で可決され、翌年四月に設置されたもの。
オンブズパーソンは、教育委員会から独立性を保つため、市長部局に附属する。特徴的なのは、相談だけでなく、学校と子ども、保護者の関係改善を図る調整を行ったり、必要があれば調査し、市の関係機関(市教委、学校など)に勧告・意見を行う。
主な効果としては、関係機関に提言することで学校の対応やいじめなどが改善されるとともに、関係機関をつなぐ調整機能が子どもの救済につながっている。
同様の第三者機関の設置は全国で相次いだが、全ての自治体で「うまくいくとは限らない」と、同市オンブズパーソンの浜田寿美男代表(奈良女子大学名誉教授)は話す。
その理由のひとつとして、人口に対するスタッフ配置を挙げる。川西市は人口約十六万人に対して、年間約二千七百万円の予算をつけて、弁護士らオンブズパーソン三人(委嘱の非常勤特別職)、補佐する相談員四人(非常勤嘱託員)が、常に相談窓口を開く体制をとっている。
相談は原則として、顔を突き合わせた面談。そうでないと、いじめなどの人権侵害に絡む様々な要因を把握するのは難しいからだ。
しかし、人口約百四十万人の滋賀県が同じような効果を上げようとすると、「川西市の十倍くらいのスタッフ(年間約二億七千万円)が必要で、県レベルでは難しいのではないか。きちんとやるのであれば、県内の圏域ごとにオンブズパーソンを配置すれば、川西市と同じ効果を期待できるかもしれない」と話している。
なお滋賀県教育委員会は第三者機関の検討状況について、「十月中には専門家で構成される研究チームを発足させ、川西市のオンブズオパーソンを含む全国の事例を参考に、一、二年以内に恒久対策を打ち出したい」としている。








