「三倍体ビワマス」種苗提供へ
◇米原
県水産試験場醒井養鱒場(米原市)は、「全雌三倍体ビワマス」(注)が水産庁の利用要領に適合していることが確認されたため、同種苗をこの十月中にも県内の養殖業者に提供を始める。来年から市場流通が始まる見通しだ。
醒井養鱒場では、琵琶湖固有種のビワマスを県の新たな特産養殖魚とするため、養殖技術を確立し、平成十五年度から事業化試験を行ってきた。
養殖ビワマスは、産卵期になると成熟して肉質が劣化することが課題であるため、繁殖力のない「全雌三倍体ビワマス」を作り出す取り組みを十八年に開始し、量産化に向けた研究を進め、その技術を昨年度に確立した。
これを養殖魚として利用するためには、作り出す技術や飼育管理方法などが水産庁の「三倍体魚等の水産生物の利用要領」に適合している確認を、水産庁長官から得る必要があり、確認申請を三月十五日付けで行った。
そして八月三十一日付けで水産庁から「三倍体魚等の水産生物の利用要領」に適合していることの確認がなされた。これで今後、全雌三倍体ビワマスを県特産養殖魚として利用できることとなった。
県では「全雌三倍体種苗をこの十月中にも県内の養殖業者に提供を始める。このため、来年から市場流通が始まると期待している。来年の夏頃には塩焼きサイズが、再来年からは刺身用サイズが供給できる見込みであり、天然ビワマスと併せて一年を通しておいしいビワマスが提供できる」と話している。
「全雌三倍体ビワマス」=多くの生物には卵と精子から伝わる遺伝情報(染色体)が二セットあり、その総数は二の倍数となるため二倍体と呼ばれる。これを三セットにしたのが三倍体で、通常不稔(生殖能力がない)になる。商品価値を上げるため、ビワマスの雌を三倍体化したもの。







