大津市内3件が国重文に
◇大津
国の文化審議会は文科大臣に、国の重要文化財に大津市内所在の木造天王立像(同市北比良、天満神社所有)、葛川明王院御正体(みしょうたい)(同市葛川坊村町、明王院所有)、鴟尾(しび)(同市御陵町、大津市歴史博物館保管)の三件を指定するよう答申した。今回三件指定されることで、同市における国指定文化財の件数は三百二十四件になる。
木造天王立像(平安時代)は、表面にノミ痕をつけて彫り出し、素地仕上げとする鉈(なた)彫像。太造りの体型やおおらかな肉取りに一〇世紀の特色を表している。鉈彫像のなかで屈指の古作として注目される。
葛川明王院御正体(室町時代)は、本堂に安置される大型の懸仏(かけぼとけ)六面。不動明王像及び二童子像、宝塔などを表の鏡面の中心に据えている。いずれも明徳三年(一三九二)のほかの年紀、施主、大工をはじめとする施入銘が、裏面と表面に記される。
鴟尾(飛鳥時代)は、瓦葺屋根の大棟の両端に設置される飾りで、山ノ神四号窯跡(大津市一里山三丁目)から出土した四点。天智天皇が近江大津宮へ遷都した七世紀第三四半期の須恵器遺跡から出土したもので、製作途中で窯の天井部が崩れ、未完成のまま残されたものとみられる。ほぼ完全な形で出土し、一括して四点も出土した例は全国最多。内面には同心円文など、須恵器整形の技法が応用されている。









