愛と欲望の平安・鎌倉・室町
◇全県
滋賀県出身の八幡和郎氏による日本通史全六冊の最後の一冊「本当は面白い『日本中世史』」(税込七百九十八円)=写真=がソフトバンククリエイティブから発刊された。
平安・鎌倉・室町時代を「愛と欲望で動いた日本の中世」として扱う。「李朝朝鮮から輸入した儒教道徳が支配的になった江戸時代と違って良くも悪くも人間くさい時代だ」という。
宗教の役割が格段に大きいが、とくに、延暦寺と園城寺の争いがどうして天下を揺るがす関心事になったかの分析などさすがに奥が深い。
門跡の地位が、自由奔放な男女関係から生まれるたくさんの子どもに一代限りだが贅沢な生活を保証する仕組みだったとか、律令制が崩れて常備軍がなくなり京都周辺で僧兵が最強の軍事勢力だったことなどが指摘されている。
その反面、比叡山などが教育、文化、地域開発などの方面で、中世においてもっとも優れた組織として社会発展に大きな功績があったことも描かれている。







