費用負担「関西全体で解決」前提に協議へ 並行在来線のJRによる経営維持も条件
北陸新幹線の敦賀以西の延伸(平成五十一年以降)について、嘉田由紀子知事はこのほど、関西広域連合(滋賀、京都、大阪など二府五県四市で構成)の委員会で、同連合が推す「米原ルート」案(敦賀~米原)に対して公式に同意した。同連合は今年六月~七月頃に国へ提案する見通し。今後、自治体の費用負担や並行在来線を巡る議論が高まりそうだ。 【高山周治】
同連合は試算で「米原ルート」のほか、「湖西ルート」と「小浜ルート」の三ルートについて比較・検討した結果、「米原ルート」が最も整備費用が少なく、経済波及効果が高いとして「有利」とする方針を三月に示していた。
嘉田知事は同意の条件として、▽現行法では沿線自治体である滋賀県の負担が大きい整備費用を関西全体で解決する▽整備新幹線整備に伴う並行在来線(北陸本線・湖西線)のJRからの経営分離は受け入れられない―などを示し、同連合の委員会で了承された。
整備費用は全体で三千六百億円~五千百億円と試算。現行法の負担割合は、国負担分を除いては沿線自治体が負担することになる。
このため、着工区間四十四キロのうち三十五キロを占める沿線自治体の滋賀県の場合、敦賀~米原間の新駅設置費を含む八百二十三億円~一千百九十八億円が負担分になり、これを関西広域連合の取組方針では「関西全体で解決する」と明記している。
滋賀県は負担割合の目安に、経済波及効果(京阪神九割・滋賀県一割)を示しているが、同連合は今後、経済波及効果や各自治体の財政規模などの観点から協議を進めるとみられる。
もうひとつ大きな課題が、並行在来線のJRからの経営分離の問題だ。整備新幹線の基本条件は従来から、着工区間の並行在来線についてはJRから経営分離するとされ、北陸新幹線米原ルートでは北陸本線と湖西線がそれに当たる。
経営分離された場合、地元自治体出資の第三セクターで運営されることになり、自治体の財政負担が大きくなる。このため県は、北陸本線と湖西線の相互乗り入れを可能にした琵琶湖環状線へ投資した過去の経緯や、地元住民の利便性確保の面から、JRからの経営分離は絶対避けたいとしている。
なお、北陸新幹線の金沢~敦賀間では、福井県と沿線七市町が並行在来線のJRからの経営分離に同意。開業二年前の平成三十五年には、沿線自治体出資の第三セクターを設立する方針だ。
関西広域連合の委員会終了後、嘉田知事は「収益がとれないと(JRの経営から)切り離されるリスクが高まる。(集客キャンペーンなどで)収益が成り立つよう努めたい」と語った。
関西広域連合取り組み方針の主な内容
▽コスト負担のあり方については、国と地方の費用負担のあり方や地域の受益の程度などを勘案し、引き続き、関西広域連合として検討し、関西全体で解決を図る。
▽並行在来線(北陸本線、湖西線)については、京阪神と一体となった交通ネットワークを形成する幹線交通として、重要な役割を果たしていることから、関西広域連合は、当該並行在来線の経営がJR西日本から分離されることは受け入れられず、分離されないよう、国やJR西日本へ求めていく。







