TPPで問われる滋賀食肉センター
◇全県
高度な衛生管理手法を取り入れた県内の食肉流通拠点の滋賀食肉センター(近江八幡市)。このセンターで牛や豚のと畜を行っている(株)滋賀食肉市場が六月一日から、現行の解体手数料七千七百円を、「八千七百円」(一三%アップ)に引き上げる。この動きの中、県議会からは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を見据えて、同センターの抜本的な経営改善を求める声が出ている。【石川政実】
当初のと畜解体計画大幅に下回る
迫られる市場の抜本的経営改善
滋賀食肉センターは、(財)滋賀食肉公社が同市長光寺町の県有地に総事業費約三十七億円を投じて建設し、平成十九年から操業を開始した。
同センターの施設維持管理を担っているのは、県の外郭団体である(財)滋賀食肉公社。また、同センターで、と畜解体業務をしているのが滋賀食肉市場、副生物(内臓)処理をするのが県副生物協同組合となっている。
公社の主な収入は、同市場、同協同組合、利用者からの施設使用料である。ちなみに公社の二十三年度事業活動収支決算では、収入が二億四千万円、支出が二億六千九百万円で、約二千九百万円の赤字だ。公社設立の十年度から二十三年度の累積赤字は、九億七千万円にのぼっている。ただし、土地を県から無償譲渡(約十三億円)されており、貸借対照表上は、四億三千四百万円の黒字ではある。
一方、市場の二十三年度の売上高は三億五千八百万円で、人件費、施設使用料などの経費を差し引けば六千二百万円の損失で、累積赤字は約四億円に上る。
このような厳しい市場の経営状況の要因は、当初の事業実施計画で、と畜頭数が牛一万一千頭ベース、豚一万五千頭と見込んでいたのに、例えば平成二十四年度では牛が約八千四百頭、豚が五千八百頭にとどまっているためだ。
このため市場では六月一日から、関係者の理解を得て、と畜解体手数料の値上げを行うもの。
地元からは「京都市や奈良県は多額の資金を一般会計などから繰り出しており、県も市場の累積赤字部分を補てんすべき」などの意見が出ている。
いずれにせよTPPを見据えて、食肉センターの今後の方向性を再構築すべき時期に来ている。







