能登川病院 眼科・辻本医師
◇東近江
医師不足にあえぐ東近江市立能登川病院に、今年四月から新しく眼科医の辻本淳子医師(38)=京都府在住=が加わり、診察時間の拡充だけでなく、五年ぶりに白内障や眼瞼下垂(がんけんかすい)などの手術も再開した。
5年ぶりに眼科手術も再開
辻本医師は、福井医大を卒業後、出身地である京都の府立医科大学医局に入局し、済生会滋賀県病院や南丹病院などにも勤務。「一人ひとりの人生をどれだけ良くするかに手を貸す仕事がしたい」との初心を忘れることなく、眼科医として腕を磨いてきた。
その間に出産も経験。常勤医師として一日六十人の外来患者診察や手術をこなす多忙な毎日を送りながら、母として保育所を活用し、子育てと仕事を必死に両立してきた。「来年、息子が小学校に上がると、今までのようにはいかなくなる。子どもの帰宅時間に合わせて、自分だけ勤務時間を短くすれば、同じ職場の眼科医に負担が掛かる。自分の仕事を任せて帰ることもできないタイプなので、勤務時間帯を短縮しても、他の医師に負担が掛からず、やりたい診察・手術が目いっぱいできる職場を探していた」と言う。
女医特有の悩みに直面する中、辻本医師の母親が能登川病院・竹内孝幸院長とたまたま知り合いだったことが縁で、非常勤医師としての採用が決定。
今年四月から月・水・木・金曜日(奇数週の金曜日のみコンタクト外来も実施)の午前診察を担いながら、顕微鏡や水晶体を砕く超音波機械の更新、看護師の研修といった準備を進め、同病院で五年ぶりとなる眼科の手術(毎週火曜日)も再開した。
勤務時間は午後三時半までだが「自分のできることは全てやりたいと思っている。とはいえ、眼科医一人なので、難しい症例などは無理をせず、勤務経験のある大学病院や近隣の病院と連携を図り、きっちりと見極めながら診療にあたっていきたい」と語り、これまで築いてきたネットワークを生かす。
また、研修医時代に小児科医と眼科医どちらになろうか迷った経緯もあって、子どもの斜視や弱視を治す手術を行えるような環境を整えていきたいという熱い思いも抱いている。
「目の前にいる人を良くしてあげたい」気持ちが強く、自らを研究者向きではないと診断する辻本医師。「『コロコロする』といったわずかな症状から、患者さんが本当に困っていることを見抜き、希望通りの治療をするのは難しさもあるけれど、常に人対人の関係を大事にしていきたい。目に違和感を覚えても怖い病気だと思い込んで、診察を躊躇(ちゅうちょ)する人が多い。なるべく恐怖心を与えないよう分かりやすい説明を心掛けているので、安心するためにも、まずは受診してほしい」と呼び掛ける。






