施設認証で正念場の食肉センター ハード・ソフト両面で急がれる対応
経営健全化に迫られている滋賀食肉センター(近江八幡市)―。この起死回生策として期待がかかるのが近江牛の輸出である。近江牛は、平成二十二年度のマカオ輸出を皮切りに、シンガポール、タイにも販路を拡大し、昨年には嘉田由紀子知事も香港でトップセールスを行った。しかし、香港では、同センターの施設認証が下りず、輸出ができない状況だ。業界では「産地間競争に打ち勝つには、香港市場に向け、滋賀食肉センターの積極果敢な設備投資が必要」との声も上がっている。【石川政実】
滋賀食肉センターは、県の外郭団体の(財)滋賀食肉公社によって建設され、公社が施設の維持管理をしている。
公社の主な収入源は、センター施設の使用料だ。
このセンターでと畜解体と市場でのセリ業務を行っているのが、県が資本金の約四〇%を出資している(株)滋賀食肉市場である。
しかし、二十三年度決算では、公社は九億七千万円、(株)市場は約四億円の累積赤字が生じている。
赤字の要因としては、県が当初の事業実施計画でと畜頭数が牛一万一千頭、豚一万五千頭と見込んでいたのに、例えば二十四年度では牛が約八千四百頭、豚が五千八百頭にとどまっていることが挙げられる。
このため県が目を付けたのは、近江牛の輸出だった。この一環として、嘉田知事も二十三年にシンガポール、昨年は香港でトップセールスを行っている。
昨年度の輸出向けと畜数は二百四十六頭(前年度比五・四%減)と横ばいで、重量別内訳はシンガポール七四・三%、タイ二一・四%、マカオ四・三%だった。
県食のブランド推進課では、香港など新規販路開拓に躍起だ。このため二月、県産農畜水産物海外輸出相談窓口をJTB西日本法人営業大阪支店内に開設する一方、この秋には、香港、シンガポールのバイヤー(約十五社)を県に招き、商談の促進に努める予定だ。
業界関係者は「今のままでは、輸出の大幅な伸びは見込めない。近江牛を香港やアメリカに輸出しようとすれば、ハードルの高い施設承認を得る必要があり、ハード(設備投資)、ソフト両面で滋賀食肉センターの積極的な取り組みが求められる」と指摘している。







