先進国のスウェーデンから東近江市の診療所を視察
◇東近江
予防歯科先進国のスウェーデンから同国歯科衛生士会会長で、ヨーロッパ歯科衛生士連盟会長、国際歯科衛生士連盟理事でもあるイボンヌ・ニプロムさんと、同国の歯科器材など製造販売会社のマリア・オディーンさんが先月二十四日、東近江市八日市東本町の井田歯科東診療所(井田亮医師・鶴見大学歯学部探索歯学講座講師)に視察に訪れた。
大学や大阪、東京での講演のため来日、移動途中に立ち寄った。削って埋める治療が主流で予防歯科が遅れている日本で、予防に力を入れている診療所があると、日本の歯科器材・医療機器の輸入販売などをてがけるクロスフィールド株式会社(東京都)の紹介で訪れたもの。
また、国際機関の理事として、国の垣根を越えて歯科衛生士の地位を高め、先進的な教育や研究を世界中に通用するよう視覚化するため、予防に特化した治療を実践している日本の診療所を視察することで日本の現状を知るという目的もある。
二人は、診療現場を見るだけでなく、歯科衛生士や患者にも声をかけて話を聞くなど大変興味を示し、医師の助手ではなく責任を持って働く歯科衛生士の技能の高さや、医師の予防歯科診療への高い志、診療を理解する患者とスタッフの信頼関係などに、スウェーデンと近い水準にあると高く評価した。
また、患者に渡されている個人ノートはスウェーデンにもあるが、より内容が深く、「完璧なノート」と絶賛。患者のモチベーションが上がるいい治療で「患者は幸せ」と関心を示した。
井田医師と野邑浩美歯科衛生士で取り組み、昨夏、香港で開催された世界歯科学会で発表して世界的に高い評価を得た、独自に開発した個人トレーとフッ素を使用する治療法で虫歯を確実にコントロールすることで虫歯を削らなくても、抜かなくても、良好な口腔機能を保持できる科学的除菌方法について意見交換も行った。
歯ブラシにフッ素入りの歯磨き粉を2センチ▽ブラッシングは2分を一日2回▽歯磨き後2時間は飲食しない――の2が4回出てくる「4×2ルール」と、一日一回の歯間ブラッシング、歯磨き後はスプーン一杯の水だけで口の中を濯ぐことでフッ素をしっかり歯に定着させるスウェーデン流歯磨き、スウェーデンでは十二歳の八十%が一本も虫歯をもたない、二十歳未満の歯科治療が無料など、虫歯予防が他の疾患予防になることによる国の医療費の抑制なども紹介した。
日本の歯科衛生士に向けて、「歯科衛生士は重要な職業、誇りをもって、常に自分を磨いてほしい」「病気を治療するのもよい仕事ですが、病気を予防することの方が名誉あることという認識をもってください」とメッセージを残した。






