「文化の灯」守って100年以上
◇長浜
公益財団法人サントリー文化財団(鳥居信吾理事長)はこのほど、サントリー地域文化賞を全国五団体に贈呈することを決め、このうち滋賀県内から私立「江北(こほく)図書館」(長浜市)を選んだ。
同賞は、地域文化の発展に貢献した個人または団体を顕彰するもので、正賞に楯、副賞に二百万円が贈られる。
「個人の志によって作られ、百年以上にわたって地域で守られ続けた私立図書館は、全国的に稀有なもの」と、高く評価された。
県庁で会見した、同館の冨田光彦理事長(76)は、「賞を有効活用し、今後も郷里の人々に文化の灯を提供し続けたい。また、貴重な資料を学術活動のため有効に使ってもらうとともに、地域のコミュニティー広場として今後も精進していきたい」と、喜びと抱負を語った。
同館は明治三十五年、伊香郡出身の杉野文彌氏が、東京の図書館で苦学して弁護士になった経験から、「青少年に勉学の場を」と考え、郷里に「杉野文庫」を開設したのが始まり。
その後、財団法人江北図書館が設立され、戦前・戦後を通じて伊香郡や郡内旧町から運営費の補助を受けながら、地域の図書館として住民に愛されてきた。
しかし、近年は近隣に大規模な公立図書館が設立されたことや、インターネットによる書籍購入、超低金利による基本財産の運用益低迷、行政からの補助カットなどに直面し、厳しい運営を強いられている。
蔵書は四万九千冊で、このうち一万冊は明治~大正期の古書。また、大正十四年の郡制廃止に伴って役所の書類を一括して引き取ったため、関東大震災や日清・日露戦争、大正時代の衆院選などの貴重な行政資料が保管されている。







