12月26日から無料化の近江大橋
◇全県
大津市と草津市を琵琶湖上で結ぶ有料道路「近江大橋」の無料化を巡り、十一市長が七月末に「維持管理費が年間一億五千万円かかるため、無料化になれば県の道路財源が圧迫される」と再検討を求める要望をしたのに対し、県は今月二十日付文書で「二月県会で維持管理の基金条例を創設し、財源を確保している」とし、予定通り十二月二十六日から無料化すると通知した。しかし市長の一部からは「県出資金の半分の十億円を維持管理の基金に充てても、それ以降の計画が定かでない。また五十億円の損失補てん引当金の行方も気になる」と不安視する声があがっている。 【石川政実】
県の外郭団体の県道路公社は、有料道路として近江大橋(橋りょう延長一・二九キロメートル)と、大津市と守山市を結ぶ琵琶湖大橋(同一・四キロ)の建設と保有・運営を行っている。ただし無料化になれば、県が管理者になる。
昭和四十九年に供用を開始した近江大橋は、通行料収入で建設費などを償還する仕組みとなっている。現在の通行台数は一日平均三万二千台にのぼる。
通行料の徴収期限は当初、平成十四年だったが、四車線化や補強工事などに合わせ、さらに二度、延長している。県は維持管理費の安定確保のため、通行料徴収期限の延長などを検討してきたが、国の許可条件を満たせなかったという。
道路公社によれば表の通り、今年十二月二十五日までの累計の支出が約五百三十二億円、収入(料金)が五百三十二億円で差し引きゼロとなり、事業費等の償還が終わるという。
支出のうち、損失補てん引当金約五十億円は、災害や物価の上昇など不測の事態に備えて、料金収入の一割を引当金に充てているもの。道路公社では、近江大橋が無料化になれば、この約五十億円は、琵琶湖大橋の損失補てん引当金に回す意向だ。ある意味で、埋蔵金になりかねない。
ちなみに道路公社の二十四年度決算の損失補てん引当金は、ドル箱の琵琶湖大橋が約五十九億円、近江大橋が約四十九億円、大津港駐車場が約六千万円の計約百八億円にのぼる。
これらは、道路公社が解散する時に残余財産として県にもどされることになる。また、事業費の中には、県の出資金約二十一億四千百万円が含まれているが、これは県に戻り、このうち約半分の十億七千八百万円を維持管理の基金として積むとしている。
しかし、市長の一部は「近江大橋の損失補てん引当金が琵琶湖大橋に回せるなら、いっそのこと近江大橋と琵琶湖大橋を一本化して、有料化を継続できないか。また大津港駐車場の経営も明らかにすべき」と指摘する。







