守山市のびわこみみの里 平成21年度から調査・研究
◇守山
聴覚障害者の自立支援を行う社会福祉法人「びわこみみの里」(守山市)は、人的資源やノウハウを生かして、国内で初めて障害者組織自身での聴導犬訓練事業の準備を進めている。国内における普及は、盲導犬に比べて取り組みが遅れていることや、育成に高額な費用がかかることから、訓練事業所は国内二十三施設、育成頭数はわずか五十三頭(平成二十六年一月一日現在厚労省調べ)にすぎない。
聴導犬は、ブザー音、電話の呼び出し音、危険を意味する音を聞き分け、「なめる」「伏せる」「引っ張る」などの動作で、聴覚障害者を音源へ誘導したり、危険を避けたりする。
びわこみみの里は、聴導犬の普及が遅れている現状の改善や、通所者からニーズが出たこともあって、平成二十一年度に厚労省の補助を受けて聴導犬育成事業に取り組み、現状と課題について調査、研究を進めてきた。
現在も、ドッグスクール(竜王町)の専門家が毎週一回、施設を訪れ、通所者が家庭で飼っている犬の訓練指導を行うほか、関連して国内の障害者施設では珍しいドッグカフェやトリミングなどの事業も手掛ける。
聴導犬を含む補助犬を育成するには、知事へ届け出を行い、受理されなければならないが、これまでびわこみみの里に訓練実績がなかったためハードルは高かった。しかし、五年間にわたる調査研究の積み重ねが認められ、受理される可能性は高いという。
中村正所長(70)は「聴導犬が普及しない背景には、当事者自身がまだまだイメージを持ちにくいことや、地方公共団体で適正な相談窓口が置かれず、聴覚障害者の問い合わせに十分応えきれていないことなどにある。このような中で、障害者組織自身が聴導犬の育成や、相談窓口となる意義は大きい。びわこみみの里の特性を生かして普及にがんばりたい」と話している。







