疏水通船復活へ本格的に検討
◇大津
約六十年前まで琵琶湖疏水を行き交った通船を復活させようと、大津市と京都市は、実現の可能性を探るプロジェクトチームを発足させ、本格的な検討を始めた。この試みは、昭和六十二年、故・山田豊三郎元大津市長が京都の観光客を市内に呼び込もうと、疏水を管理する同市へ提案したが、「安全確保が難しい」と断られた経緯がある。今回は、疏水の産業遺産登録や山科の観光振興を目指す京都市と、観光にテコ入れを図りたい大津市の思いが一致した。【高山周治】
大津・京都市がプロジェクトチーム
トンネルの安全対策など課題多く
検討されているコースは、大津市内にある疏水事務所大津分所から、京都市内の蹴上船溜まりまでの約七・八キロ。
見どころは、疏水沿いの桜や紅葉などの四季の景観のほか、伊藤博文ら明治の元勲が筆をとった、トンネル出入口に掲げられた扁額、そしてネオ・ルネサンス様式の旧九条山浄水場ポンプ室(蹴上船溜まり付近)など。
昨年十二月には越直美大津市長と門川大作京都市長が、約七十分かけて試乗。両市長は「琵琶湖疏水が京都の近代化に果たした役割は非常に大きく、歴史ミュージアムとしての価値がある。船が復活すれば、産業遺産登録への動きも加速される」(門川京都市長)、「明治時代の人々が活用した運河を観光活用でぜひ復活させたい」と、強い意気込みと期待を語った。
しかし、実現に向けては、安全対策など検討すべき課題は多い。懸念されるのは、行程の半分(計三・九キロ)を占める四つのトンネル区間だ。
各トンネルは、完成あるいは補修から四十年ほど経過しているため、構造上の調査と補修・補強、そしてトンネル内の照明、換気、避難経路の保安設備の整備が不可欠と指摘されている。これを受けて一~三月に調査を行い、どの程度の補修が必要か見込みを立てる。
なお、大津、京都両市のプロジェクトチームは、十五日の第一回会合で課題を共有化したのを皮切りに、三月末までに二回開いて中間報告をまとめ、来年度中に一定の方向を示したいとしている。









