大津市の新知恩院で発見
◇大津
大津市伊香立下在地町の新知恩院から、全国的に珍しい釈迦が伏した姿である、鎌倉時代の木造涅槃(ねはん)像が見つかった。
同市歴史博物館の調査で明らかになったもので、同院には応仁の乱の疎開でもたらされた知恩院(京都市)ゆかりの宝物や、その後整備されたものなど、数々の宝物が伝来している。
彫刻の釈迦涅槃像は全国的にあまりなく、重要文化財に指定されている像が奈良県の岡寺像、香川県の観音寺像、広島県の照源寺像の三件を含む約三十数件しか知られていない。
新知恩院の涅槃像は体長十二・八センチで、現存するほかの涅槃像(九十センチ~百八十センチ)と比べて極めて小さい。ビャクダン材を彫り出し、金泥を塗布したうえに、胸部には水晶をはめている。この珍しい技法は、釈迦の体から光が発せられている様子を表現しているものと思われる。
また、顔の輪郭や、少し眼尻を上げた理知的な表情、衣文の運び方からみると、鎌倉時代初期に活躍した仏師、快慶の作風に近いものがみられる。木像が小さすぎるため快慶本人の作品とは断定できないが、快慶が主宰する工房で製作された可能性が高い。
新知恩院の涅槃像は、同博物館のミニ企画展で二月八日から三月十六日まで公開される。一般二百十円、高大生百五十円、小中生百円。







